もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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交渉成立

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「うぅ、………5日分でお願いできませんか?」

 下手に出たアルノルトお兄様は、相変わらずできる最大値を尋ねてきます。断られてもそれ以上お菓子を出せない状況に1発でもって行くとか、本当にお馬鹿さんですよねー。
 ま、私も可愛い可愛いアルノルトお兄様の妹です。アルノルトお兄様の非常識なお願いもちょっとだけなら聞いて差し上げましょう。
 決して、決っしてお菓子に釣られたわけではございませんでしてよ?体重がちょーっと増えたからっていう単純で面倒くさい理由で、レムに制限されてしまった分のお菓子を取り戻そうとしている、というわけではございませんでしてよ?

「良いですわよ。」

 私がアルノルトお兄様から手紙を受け取りると、ケイはこっちを向いてにこにこしていました。多分、彼は色々と勘づいていますわね。厄介な弟分です。レムに言い付けないように口止めしておかなくては………!!

「じゃあ、行ってきますわね。時間は有限ですから。ケイ。」

「ん、」

 私が転移をして下町に降りるために右手を差し出すと、ケイが頷いて私の手に手を添えようとしましたが、やがて私の手に触れる前にピクリと動きを止めて片眉を上げました。

「シャル、ローブは持った?」

「あ、」

 急いでベッド下からローブを引っ張り出した私は、いそいそと身につけました。

「あと、ブレスレット。」

「ふぎゃっ、」

 ブレスレットを魔法の収納空間に急いでしまっていると、アインスお兄様から笑い声が聞こえてきました。

「これじゃあどっちが弟分か分からないね。というか、シャルが下だったら、妹分かぁ………」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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