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未だに分からない
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私とケイはここ3年でとても仲が尚の事良くなりました。好き嫌いも、得意不得意も、考えること、感じること、色々なことが手に取るようにわかります。けれど、彼の出生や元々住んでいたところで起こったこと、彼の加護や不思議な力、動物とお話しできる力の秘密については、未だに謎が多いです。というか、ほとんどが謎です。
今、分かっていることといえば、ケイというお名前と、母親が亡くなっていること、そして家は護衛や従者を雇えるくらいに裕福であったということくらいです。
神様からの加護がどの神様から与えられているのか、彼はどうして生まれたところを危険を犯してでも出て行かなくなってしまったのか、家族構成、ずっとそれとなく聞いていますが、それに触れそうになった途端、今目の前にいる彼のようにだんまりになってしまいます。
「………ーーーさあ、朝ご飯にいたしましょう。今日はアスィミ、クロエ、ルディと下町に出て遊ぶ日なのですから。」
「………うん。ごめんね、シャル。いつか、………いつかお話しするから。」
「えぇ、待っていますわ。」
ケイの不安げな声と尻尾の揺れ方、耳の動き方を見て、私はまた選択を間違ってしまったことに気がつきました。いつもいつも、情けのない限りです。身長が抜かれたとしても、私の方がお姉様ですのに。
「「いただきます。」」
ほくほくとした温かい朝食は、ちょっと朝には重たいですが、それでもとても美味しくて、私とケイは会話も忘れて無言で黙々と完食しました。
「「ふぅー、ご馳走様でした。」」
「相変わらず息がぴったりなようで何よりです。」
レムの嫌味のような言葉に、私とケイは視線をぶつけた後に笑い合いました。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
『義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?』
が本編完結しました。是非読んでみてください!!
今、分かっていることといえば、ケイというお名前と、母親が亡くなっていること、そして家は護衛や従者を雇えるくらいに裕福であったということくらいです。
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レムの嫌味のような言葉に、私とケイは視線をぶつけた後に笑い合いました。
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