もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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「そうか………、そうなのか………。」

何故かお父様は遠いお目々をいたしました。勇者デイル・レイモンドが何か起こしたのでしょうか。大きな不祥事は起こしていないはずですが、それでも彼も人間です。小さい?失敗の1つや2つ必ずあるはずです。

「お父様、よろしいですか?」

「はあー………………。伯爵令嬢と侯爵令息の許可は出るだろうが、勇者の愛娘は難しいと思うぞ。」

私はぷくぅーっと頬を膨らませますが、途中でにんまりと笑みを浮かべてお父様にとあるをすることにしました。

「勇者様の愛娘様に私からのお手紙をお出ししても?」

「………はぁー、構わないよ。………だが彼の愛娘は………。」

「存じています。彼女が異国の人間であり、そして私たちと………何もかもが違うことも。」

魔人族は人間と最も関わりの少ない種族のうちの1つです。何故ならとっても長寿だからです。長寿な種族は短命な種族との関わりを嫌います。理由は簡単、置いて逝かれてしまうからです。先に年老いて死なれるのはとても辛いことです。だから、長寿の種族は短命の種族との関わりを絶っています。

「なら良い。手紙についてはちゃんと愛娘に渡すように勇者に預けるとしよう。」

「はい、お願いします。あと、お父様は何故私のお出かけをお気づきに?」

私はにっこりと微笑みを浮かべてお父様の警戒心をできるだけ解きほぐすように話しかけます。

「シャルの魔力が街の方に行く気配を感じた、ただそれだけだ。気にするな。」

けれど、お父様は硬いお声で単調に答えます。これはお父様のご加護に関係がありそうです。加護について本人の意思と関係なく尋ねるのはご法度ですから、私はこれ以上は尋ねられませんね。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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