もふもふ好きのお姫様

縋り付かないでくださいまし！！

「シャルロッテー！！」

「縋り付かないでくださいまし！！」

私は涙目で訴えかけてくるお父様に、ピシャリと言いました。本当に情けないです。ピーマンも食べられないなんていい加減にしてほしいです。

「あ、それともあーんの間違いでしたか？」

分かっていてなお私は食べさせるために満面の微笑みを深めます。うん、たまにはこう言うのもいい気味ですよね。いっつも上のお父様を尻に敷くのも悪くはありません。

「で？如何なさるのですか？」

「うぅー、自分で食べます………。」

半泣きの状態でメソメソピーマンを食べている姿は、子供のようです。というか、国王が中年になってなおピーマンを泣きながら食べるっていうのはいかがなものなのでしょうね？
そして、完食した皿をペカーン！と掲げるのも如何なものかと存じます。

「子供っぽいですよ。父上。」

「アルノルトまでわしをいじめる………。」

「自業自得ですわ。」

「でしゅわ！！」

アルノルトお兄様に、私とケイも頷きます。本当に自業自得です。子供っぽい行動を目にして子供っぽくないと言うことは不誠実です。国王相手に嘘も良くありませんしね♪

「アインスぅー、」

「自分で蒔いた種は自分で処理してください。私はお手伝いいたしません。」

アインスお兄様も辛辣ですし、お義母様に至ってはこのやりとりに全く気付くことなく楽しく食事に没頭していらっしゃいます。うん、本当に美味しそうに食べますね。大皿が次々と空になっていきます。

「皆が我に冷たいっ！！」

「「「自業自得ですっ！！」」」

「でしゅ！！」

お父様の叫びは、兄妹とケイによって躊躇いなく一蹴されてしまいました。
残念ですわね♪

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