もふもふ好きのお姫様

入室

コンコンコン！！

「父上、アルノルトです。少しお時間をよろしいでしょうか。」

「入れ！！」

アルノルトお兄様はゆっくりと重厚な扉を押し開き入室していきました。扉の隣に並んで立っている衛兵にぺこりと目だけで挨拶をした私も、アルノルトお兄様に続いたアインスお兄様に続けて入室します。

「父上、アインスです。」

「シャルロッテです。」

「アル兄上を連れて参りました。」「アルお兄様を連れて参りました。」

今日の午後に来てくれとお父様から言われていましたが、一応挨拶は大事なのでしっかりとすることにいたしました。

「ケイでしゅ！」

ケイは国王であるお父様の前でも堂々としていて、元気いっぱいです。
うぅー、可愛い！！
人間に擬態していても、可愛いものは可愛いです。

「アルノルト殿下の側近をしております。メイソンです。」

メイソンは空気のように入室してきましたが、お父様に美しい仕草でお辞儀をしました。いくら私やアインスお兄様に苛立たれるほどに腐っていても、脳筋なアルノルトお兄様を支えられるほどに賢い男なのですよね。

「よく来たな。そこに腰掛けるといい。」

「「「「「ありがとうございます。」」」」」

お父様の言葉に、皆が揃って感謝を口にしました。はやく人払いをして本題に入ってほしいものですね。

「君、我の妃を呼んできてくれ。あとは皆下がれ。」

『承知いたしました。』

お義母様は隣の部屋に控えてるのではないかと予測してきたのですが、どうやら控えていなかったようです。呼びに行かせるということは、本題に入れるのは10分後くらいでしょうか。

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