244 / 506
朝食
しおりを挟む
ケイとのお揃いに歓喜しながら、私はケイを招いて朝食の席につきました。
「いただきます。」
「いたじゃきましゅ!!」
今日のメニューは亡くなったお母様のご実家の郷土料理でした。
そういえば、和食は久方ぶりですね。ケイは初めて食べるはずです。
「ねぇ、しゃる、これはなぁに?」
「ご飯です。」
白米を指したケイに、私は微笑みを浮かべて答えました。そういえば、お母様はいつも白米を普通に食べたいとおっしゃっていましたね。物を飲み込む力が衰えているお母様は、お医者様に白米を食するのは危険だと判断されて、いつも白米をお粥にされてしまっていました。
「ご、はん?」
「えぇ、ご飯です。白米とも言います。私のお母様の生家たる東の国の食材です。」
「しゃるのおかーしゃま?」
私は返答の代わりに微笑みを浮かべてほうれん草のおひたしに箸を向けました。
「じゃあ、こりぇは?」
お豆腐とお芋、白菜の浮かぶ薄い茶色のスープを指差したケイに答えました。
「味噌汁です。」
「みしょしる?」
「えぇ、………お母様は麦のお味噌がお気に入りでしたから、おそらく今日のお味噌も麦味噌ですね。」
懐かしくなって思わずクスリと笑えば、ケイが不思議そうな表情をしました。
お母様は食への執着が半端ありませんでしたからね。
「おみしょにもしゅるいがありゅの?」
「えぇ、お母様曰く、大きく分けると4種類あるそうです。」
「ちーさくわけちゃら?」
「う~ん、………すみません、ケイ。私は存じ上げませんわ。アインお兄様はご存じかと思いますから、今度聞いてみたらいいと思いますよ。」
「わかっちゃ!!」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「いただきます。」
「いたじゃきましゅ!!」
今日のメニューは亡くなったお母様のご実家の郷土料理でした。
そういえば、和食は久方ぶりですね。ケイは初めて食べるはずです。
「ねぇ、しゃる、これはなぁに?」
「ご飯です。」
白米を指したケイに、私は微笑みを浮かべて答えました。そういえば、お母様はいつも白米を普通に食べたいとおっしゃっていましたね。物を飲み込む力が衰えているお母様は、お医者様に白米を食するのは危険だと判断されて、いつも白米をお粥にされてしまっていました。
「ご、はん?」
「えぇ、ご飯です。白米とも言います。私のお母様の生家たる東の国の食材です。」
「しゃるのおかーしゃま?」
私は返答の代わりに微笑みを浮かべてほうれん草のおひたしに箸を向けました。
「じゃあ、こりぇは?」
お豆腐とお芋、白菜の浮かぶ薄い茶色のスープを指差したケイに答えました。
「味噌汁です。」
「みしょしる?」
「えぇ、………お母様は麦のお味噌がお気に入りでしたから、おそらく今日のお味噌も麦味噌ですね。」
懐かしくなって思わずクスリと笑えば、ケイが不思議そうな表情をしました。
お母様は食への執着が半端ありませんでしたからね。
「おみしょにもしゅるいがありゅの?」
「えぇ、お母様曰く、大きく分けると4種類あるそうです。」
「ちーさくわけちゃら?」
「う~ん、………すみません、ケイ。私は存じ上げませんわ。アインお兄様はご存じかと思いますから、今度聞いてみたらいいと思いますよ。」
「わかっちゃ!!」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
0
お気に入りに追加
162
あなたにおすすめの小説
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
王太子殿下の想い人が騎士団長だと知った私は、張り切って王太子殿下と婚約することにしました!
奏音 美都
恋愛
ソリティア男爵令嬢である私、イリアは舞踏会場を離れてバルコニーで涼んでいると、そこに王太子殿下の逢引き現場を目撃してしまいました。
そのお相手は……ロワール騎士団長様でした。
あぁ、なんてことでしょう……
こんな、こんなのって……尊すぎますわ!!
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
番を辞めますさようなら
京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら…
愛されなかった番
すれ違いエンド
ざまぁ
ゆるゆる設定
【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます 時々番外編
たろ
恋愛
朝目覚めたら隣に見慣れない女が裸で寝ていた。
レオは思わずガバッと起きた。
「おはよう〜」
欠伸をしながらこちらを見ているのは結婚前に、昔付き合っていたメアリーだった。
「なんでお前が裸でここにいるんだ!」
「あら、失礼しちゃうわ。昨日無理矢理連れ込んで抱いたのは貴方でしょう?」
レオの妻のルディアは事実を知ってしまう。
子どもが出来たことでルディアと別れてメアリーと再婚するが………。
ルディアはレオと別れた後に妊娠に気づきエイミーを産んで育てることになった。
そしてレオとメアリーの子どものアランとエイミーは13歳の時に学園で同級生となってしまう。
レオとルディアの誤解が解けて結ばれるのか?
エイミーが恋を知っていく
二つの恋のお話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる