もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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いつ?

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「っ、アインお兄様はいつからお気づきになっていたのですか?」

やっとのことで絞り出した声には、力強さも説得力も何もなく、年相応の幼さが滲み出ていました。
あぁ、なんで私はちゃんと王女をできないのでしょうか。

「割と最初の頃からだね。」

「そう、ですか……。」

当然だと言わんばかりに返された返答に、私は苦笑しました。
アインスお兄様は、紫の神より加護を与えられているを私よりもよっぽど紫の加護持ちらしいです。先の未来を見通す、いえ、アインスお兄様の場合は見据えること、ですね。まぁ、それらに一切の躊躇いもなにもないのですから。未来に恐怖し、蹲っている私とは根本から違うのです。
アインスお兄様が紫の神に愛されていたら良かったのに………、そう思ったことは1度や2度ではありません。ずっとずっと、物心つく頃から心の奥底でくすぶり続けているものです。
加護が他人に譲渡できたなら、これもずっと考えていることです。『変わり姫』と呼ばれ、恐れ慄かれている私が強大な加護を持つより、誰よりも強くて人の心に優しく寄り添うことができるアルノルトお兄様や、誰よりも賢く努力を知っているアインスお兄様が持つ方がよっぽど有意義なのです。

私なんて誰にも必要とされていないのです。
要らない子なのです。
お父様やお義母様、お兄様方に心配をかける悪い子なのです。

無駄に魔力が強くて、神に愛されていて、人に恐怖しか与えられなくて、すぐにぐずぐずして、それでも人と関わりたいと願ってしまう愚かな子なのです。

消えたい、消えたい消えたい、消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい……………。

消えたい。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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