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王女は悔しい
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「ねぇシャル、君、何か勘違いしていないかい?」
ぎゅっと唇を噛み締める私に対し、アインスお兄様はニヤリとした微笑みを浮かべて話しかけてきました。
「…………何がおっしゃりたいのでしょうか?」
敵に回ったアインスお兄様に隙を見せまいと刺々しい口調で質問すると、苦笑が返されてしまいました。
私とアインスお兄様の目指す道は違うはずです。なのに何故このような表情をされるのでしょうか?
敵に対して敵対視されたことに、何を苦笑などと生易しいことをなさるのでしょうか?
私は敵にはなり得ないと、取るに値しないと言いたいのでしょうか?
ムカつきます。
私なんて無能だと、対等に戦えやしないと、物事を起こす前から決めつけるなんて酷いと思います。
私だって、ずっとずっと必死なのです。
アインスお兄様やアルノルトお兄様に追いつきたくて、同じ土壌に立ちたくて、必死に走り続けているのにも関わらず、2人は振り返りもしてくれないのです。
私のことを見向きもせず、ぽいっと放っておくのです。
「私は言ったはずだよ、『大切なものを全て守ること』と。」
「?」
悔しくて苦しくて悲しくて仕方なくて、どうにもならない、どこにもぶつけることができない、行き場のない感情をぶつけるかのようにアインスお兄様をキッと睨みつければ、アインスお兄様は至って真面目で当たり前のことを言うかのように不思議なことを言いました。
悔しいですが、怒りや悲しみによって頭の回転が鈍っている私には、アインスお兄様が何を言いたいのか全くもってさっぱり分かりません。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😭☺️
ぎゅっと唇を噛み締める私に対し、アインスお兄様はニヤリとした微笑みを浮かべて話しかけてきました。
「…………何がおっしゃりたいのでしょうか?」
敵に回ったアインスお兄様に隙を見せまいと刺々しい口調で質問すると、苦笑が返されてしまいました。
私とアインスお兄様の目指す道は違うはずです。なのに何故このような表情をされるのでしょうか?
敵に対して敵対視されたことに、何を苦笑などと生易しいことをなさるのでしょうか?
私は敵にはなり得ないと、取るに値しないと言いたいのでしょうか?
ムカつきます。
私なんて無能だと、対等に戦えやしないと、物事を起こす前から決めつけるなんて酷いと思います。
私だって、ずっとずっと必死なのです。
アインスお兄様やアルノルトお兄様に追いつきたくて、同じ土壌に立ちたくて、必死に走り続けているのにも関わらず、2人は振り返りもしてくれないのです。
私のことを見向きもせず、ぽいっと放っておくのです。
「私は言ったはずだよ、『大切なものを全て守ること』と。」
「?」
悔しくて苦しくて悲しくて仕方なくて、どうにもならない、どこにもぶつけることができない、行き場のない感情をぶつけるかのようにアインスお兄様をキッと睨みつければ、アインスお兄様は至って真面目で当たり前のことを言うかのように不思議なことを言いました。
悔しいですが、怒りや悲しみによって頭の回転が鈍っている私には、アインスお兄様が何を言いたいのか全くもってさっぱり分かりません。
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