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解呪 1
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「はぁー……。」
深呼吸をして先程知覚した美しい呪いを再び展開させて絡み付いた複雑な紐を解きほぐすように丁寧に呪いを緩めていきます。呪いは普通寒気がするほど冷酷無慈悲であるにも関わらず、この呪いには何故か優しい暖かみがあります。
「……調子が崩れる……。」
本当に厄介な呪いです。殺気が削がれて解呪を邪魔されてしまいます。
「……。」
ケイが無言でこちらを見ているのが分かるのでカッコいいところを見せたいところですが、今できるのは呪いを緩めるところまでですね……。もし、もしも緩めることがうまくいったとしても完璧な解呪は100パーセント不可能ですね。
私は小さく嘆息しながら、遠慮なく呪いを緩めていきました。ですがやはり、呪いを消し去ることは不可能なようです。魔力が全く足りません。
バン!!
予測は当たっていましたが、やっぱり解呪出来なくてちょっとやさぐれていたとき、私の集中力を乱すように大きな音を立てて扉が開かれました。
「……いい加減にしてくれますかね?」
「ほぉう、それが魔力回復用のポーションを持ってきてやった兄に対する態度かい?」
「………アリガトウゴザイマス、アイン、オニイサマ……。」
「物凄く酷い棒読みだね……。まぁいいよ。はい、シャル。」
アインスお兄様はスタスタと私の方へ歩いてきてポーションを手渡してくれました。とーってもムカつきますが、おかげでとても助かったので、お礼は言えても文句は言えません。
「はぁ……。」
で、でも、た、ため息が出るのは仕方がありませんよね!?
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
深呼吸をして先程知覚した美しい呪いを再び展開させて絡み付いた複雑な紐を解きほぐすように丁寧に呪いを緩めていきます。呪いは普通寒気がするほど冷酷無慈悲であるにも関わらず、この呪いには何故か優しい暖かみがあります。
「……調子が崩れる……。」
本当に厄介な呪いです。殺気が削がれて解呪を邪魔されてしまいます。
「……。」
ケイが無言でこちらを見ているのが分かるのでカッコいいところを見せたいところですが、今できるのは呪いを緩めるところまでですね……。もし、もしも緩めることがうまくいったとしても完璧な解呪は100パーセント不可能ですね。
私は小さく嘆息しながら、遠慮なく呪いを緩めていきました。ですがやはり、呪いを消し去ることは不可能なようです。魔力が全く足りません。
バン!!
予測は当たっていましたが、やっぱり解呪出来なくてちょっとやさぐれていたとき、私の集中力を乱すように大きな音を立てて扉が開かれました。
「……いい加減にしてくれますかね?」
「ほぉう、それが魔力回復用のポーションを持ってきてやった兄に対する態度かい?」
「………アリガトウゴザイマス、アイン、オニイサマ……。」
「物凄く酷い棒読みだね……。まぁいいよ。はい、シャル。」
アインスお兄様はスタスタと私の方へ歩いてきてポーションを手渡してくれました。とーってもムカつきますが、おかげでとても助かったので、お礼は言えても文句は言えません。
「はぁ……。」
で、でも、た、ため息が出るのは仕方がありませんよね!?
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