もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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仮定

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私の悲痛な叫びも虚しく、今現在私は、アインスお兄様に絶賛引きずられ中です。

「離してください、アインお兄様。自分で歩けますし、逃げませんから。えーっと、あと、ちゃんと働きますから!」

「うんうん、シャルは黙ってお兄様に引きずられていなさい。」

私の必死の説得もなかったかのように、アインスお兄様はにっこりと仄暗い良い笑みを浮かべています。ついでに言うと、お手々を離してくださる気もないようです。とほほ………。

「……ねぇ、シャル。」

先程までの雰囲気はどこに行ったのやら、アインスお兄様は深刻な口調かつ、他人に聞かれたくない話をするかのようないえ、他人に聞かれないように抑えた声音で私の名を呼びました。

「なんですか?アインお兄様。」

おそらくこれからのお話しは、今回のアルノルトお兄様の魔力暴走の裏についてでしょう。アルノルトお兄様が魔力暴走を起こすなんて本来ありえないことですからね。何故なら、王族は魔力暴走を起こさないように感情・魔力を制御する訓練を受けていますし、制御を補助する魔道具を身につけているからです。

「今回の件、君はどう思う。」

アインスお兄様は裏付けをする証拠がないというだけでおそらくもう答えが出ています。何故なら、疑問形で私に問いかけてこなかったからです。私はアインスお兄様ほど頭の回転が速くないので犯人や犯人が使った手段は分かりません。ですが、これだけははっきりと言うことができます。

「誰かの差し金でしょうね。……それも、それなりに力のある後ろ盾持ちの。」

アインスお兄様は私の答えを聞いて満足気な表情をしてから、私の事を置いてスタスタと歩き始めました。私の答えはアインスお兄様のお眼鏡にかなったのでしょう。

その事に私は胸を撫で下ろしながら、アインスお兄様の後を追いました。

*******************

読んでいただきありがとうございます♪😊♪

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