もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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王子達〜第2王子の暴走〜

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ガチャ

「待っていたよ、シャル。アインはもう来ているよ。」

アルというのはアルノルトお兄様の愛称でアインというのはアインスお兄様の愛称です。

「遅くなってしまい申し訳ございません。」

「気にしなくて良いよ。私は本をゆったり読めたからね。」

アインスお兄様は今日も美しいです。長いストレートの金髪を後ろでゆったり束ねています。お兄様の笑顔は朗らかで人を安心させることができます。

「そうそう、今は11時55分で集合時間の5分前だし、シャルを呼び出したのは俺だしな。」

アルノルトお兄様は相変わらず雑です…。短い金髪をくしゃくしゃにして服を着崩しています。

「お、ケイ。今日もシャルにべったりだな。」

そうなんです。この部屋に入ってからケイの知らない侍女がいるからか私に後ろに引っ付いて様子を探っています。ケイは基本とっても良い子で自分がいても良い場所などを考え、しっかりとした判断をくだします。 ですが、悪意などにはすごく敏感で怖がります。おそらくあの侍女はケイに悪意を持っているのでしょう。ケイは悪意などに常人より敏感な私達より遥か上を行きます。彼女は私達が気付かないレベルに悪意を隠しているのでしょう。私はお兄様の服の裾を小さくひき、侍女と近衛兵に目を向けました。

「君、悪いのだけど今日限りで侍女を辞めてくれるかな?」

アインスお兄様が動きました。流石です、あの動作だけで意図がわかるとは。ってえー!!お兄様流石にそれは不味いのでは…。私は退出していただきたかっただけなのですが…。アインスお兄様ぶっとびすぎです…。

「ネタは上がっているよ。君が不正を働いているって言うね。」

えぇーーーー。嘘ですよね?
侍女の口元がぴくり微かにと動きました。あ、働いていたのですね。

「書類もあるよ。どうする?今日やめるのなら咎めはしないけど。」

こんな時でもアインスお兄様はあの朗らか笑みを浮かべています。流石です。あ、現実逃避は良くありませんね。それに全く同じではありませんね。瞳の色はとてつもなく冷たいですもの。
さようなら。名も知らぬ侍女さん。
用意周到なアインスお兄様に睨まれた時点であなたの人生はお終いです。


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読んでくださりありがとうございます😊

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