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仲良し夫婦の大波乱⑤

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 赤子の声に喜びを覚え、けれど誰よりも何よりもミルフィーユが大事なルイボスはミルフィーユの安否が気になった。

「君!ミルフィーユは!?」

 生まれたことによって他の布を取りに外に出てきた侍女を捕まえて、ルイボスは鬼の形相で尋ねる。いきなりのことにびっくりしながらも、侍女は一瞬で平静を取り戻して淀みなく返事をした。

「ミルフィーユ妃殿下には2人赤子がいたようです。第1子が先程の泣き声の赤子で、今現在妃殿下は第2子の出産に励んでおられます。今現在は母子共にお元気な状態です」

 それだけを伝えた瞬間に全力で走って新たなお湯を取りに向かった侍女を見送りながら、ルイボスは安堵と共に喜びを覚えた。早く子を抱きたい。ミルフィーユに会いたい。気持ちばかりが膨らんで、抑えが効かなくなってくる。
 扉に向かって突進しそうな勢いのルイボスの元に、ミルフィーユの腹心の侍女が真っ白な布を持って出てきた。もぞもぞと動いている布に、ルイボスの視線は釘付けとなる。

「ミルフィーユ妃殿下からの伝言でございます。“お疲れ様、ルーお父さま。1人目、頑張って産んだのよ。2人目までもう少しかかりそうだから、侍女以外でわたくしの次はルー君に抱かせてあげるわ。頑張ってもう1人産むから、待っている間わたくしが頑張って産んだ可愛い女の子はルー君が預かっておいてね。そうしてくれたら、わたくし安心できるから。わたくしを応援していてね、ルー君”。………妃殿下はお強い方です。普通のお方ならばまともな判断をできなくなってしまう場面でここまで殿下のことを気遣っています。殿下もしっかりとしてくださいませ」
「ぐすっ、」
「………落とさないように下から支えてください」

 泣いているルイボスの手に渡された赤子はびっくりするぐらいに軽くて、ルイボスはぐっと息を呑んだ。真っ赤なくしゃくしゃの顔なはずなのにとっても愛らしい白金の髪を持った女の子は、すよすよと眠っている。

「頑張って、みーちゃん」

 ぼそっと呟きながら、たった今この世に生まれた我が子の額に、ルイボスは優しいキスを落とした。

*************************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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