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14 墓穴を掘る夫人
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「………虐めてやる予定だったという“庶子の醜女眼鏡”というのは、誰のことだ?キャンディ元伯爵夫人」
「え、あ、あ、アフォガード侯爵令嬢で、ですわ。しょ、庶民の血が流れる汚れた分際で公爵家に入ろうとする、愚かな、」
「母さまは黙って!!」
キャンディ伯爵夫人の言葉に、カヌレはプルプルと震えながら、必死になって叫んだ。
だが、もう遅い。彼女は言ってしまった後だ。ここからはもう後の祭り。怒り狂ったルイボスの独壇場と化してしまうだろう。ミルフィーユは大きく溜め息をついて、一応死人が出ないように振る舞うことにした。被害者は出るだろうが、それはまあご愛嬌だ。
(はあー、ルー君が出てきたせいで、面倒くさいことが増えたわ)
「キャンディ元伯爵夫人、わたくしに言いたいことがあるのならば、直接わたくしの目を見てお話くださいな。後々面倒なことになりますので」
「め、目を見てって穢れた人間の目なんて………、………ーーーはい!?」
「お気づきになられたのでしたら、以降お口を慎むように」
伯爵夫人は首振り人形のように首を振り回し、一目散に娘を置いて逃げ帰っていった。なんともまあ娘を救いにきた母親とは思えない行動だ。
「ルー君、悪いけれど、わたくしの好きなように裁かせてもらうけれど、構わないかしら?」
「あぁ、構わない」
「あ、あの、公女殿下!!お願いがございます!!」
「なあに?」
地べたに頭を擦り付けたまあるい物体ことアーモンド公爵が、ぷるぷると震える声で必死になって話しかけてきたのを受け、ミルフィーユは一応話を聞くことした。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「え、あ、あ、アフォガード侯爵令嬢で、ですわ。しょ、庶民の血が流れる汚れた分際で公爵家に入ろうとする、愚かな、」
「母さまは黙って!!」
キャンディ伯爵夫人の言葉に、カヌレはプルプルと震えながら、必死になって叫んだ。
だが、もう遅い。彼女は言ってしまった後だ。ここからはもう後の祭り。怒り狂ったルイボスの独壇場と化してしまうだろう。ミルフィーユは大きく溜め息をついて、一応死人が出ないように振る舞うことにした。被害者は出るだろうが、それはまあご愛嬌だ。
(はあー、ルー君が出てきたせいで、面倒くさいことが増えたわ)
「キャンディ元伯爵夫人、わたくしに言いたいことがあるのならば、直接わたくしの目を見てお話くださいな。後々面倒なことになりますので」
「め、目を見てって穢れた人間の目なんて………、………ーーーはい!?」
「お気づきになられたのでしたら、以降お口を慎むように」
伯爵夫人は首振り人形のように首を振り回し、一目散に娘を置いて逃げ帰っていった。なんともまあ娘を救いにきた母親とは思えない行動だ。
「ルー君、悪いけれど、わたくしの好きなように裁かせてもらうけれど、構わないかしら?」
「あぁ、構わない」
「あ、あの、公女殿下!!お願いがございます!!」
「なあに?」
地べたに頭を擦り付けたまあるい物体ことアーモンド公爵が、ぷるぷると震える声で必死になって話しかけてきたのを受け、ミルフィーユは一応話を聞くことした。
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