10 / 42
10 愛のお返事
しおりを挟む
うずくまって決して顔を見せようとしないミルフィーユを上から抱きしめたルイボスは、ずっと見知らぬミルフィーユに優しい声で語りかけ、はちみつ色の髪の少女ミルフィーユを抱きしめ続けたのだ。
「ひっく、ひっく、ごめ、ごめん、なさい。お、およう、ふく」
30分間泣き続けたミルフィーユが次に顔を上げたミルフィーユが見たのは、涙と鼻水でぐずぐずになった少年のお洋服だった。
「いいよ、大丈夫。ねえ、その代わりに君のお顔を見せてくれるかな?」
「………みーちゃん見せちゃだめなの。ーーーだから、特別だよ?秘密にできる?」
「あぁ、できるさ。僕は王子さまだからね」
そう言ってもらって安心して顔を上げたミルフィーユの濡れた瞳を見たルイボスは、息を飲んだ。彼が見たのは、陽光に照らされてきらきらと輝く、自分と同じはずなのにもっと綺麗なものに見える、王家の象徴、アメジストの瞳だった。
「綺麗………、」
その言葉を受けてびっくりしたミルフィーユもまた、意志の強い自分と同じアメジストの瞳に感動していた。そして、くしゃっとした年齢相応の笑みに、ミルフィーユはそれから王妃と侯爵夫人が2人のことを探しに来るまで、ずっと彼の笑みに見惚れていた。
▫︎◇▫︎
「みーちゃん、小さい頃からずっとずっと好きです!僕と結婚して妃になってください!!」
「はい!」
懐かしい想いに浸っていたミルフィーユは、ルイボスが何を言ったかも聞かずに、彼の言った通り大きな声でお返事をしてしまった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「ひっく、ひっく、ごめ、ごめん、なさい。お、およう、ふく」
30分間泣き続けたミルフィーユが次に顔を上げたミルフィーユが見たのは、涙と鼻水でぐずぐずになった少年のお洋服だった。
「いいよ、大丈夫。ねえ、その代わりに君のお顔を見せてくれるかな?」
「………みーちゃん見せちゃだめなの。ーーーだから、特別だよ?秘密にできる?」
「あぁ、できるさ。僕は王子さまだからね」
そう言ってもらって安心して顔を上げたミルフィーユの濡れた瞳を見たルイボスは、息を飲んだ。彼が見たのは、陽光に照らされてきらきらと輝く、自分と同じはずなのにもっと綺麗なものに見える、王家の象徴、アメジストの瞳だった。
「綺麗………、」
その言葉を受けてびっくりしたミルフィーユもまた、意志の強い自分と同じアメジストの瞳に感動していた。そして、くしゃっとした年齢相応の笑みに、ミルフィーユはそれから王妃と侯爵夫人が2人のことを探しに来るまで、ずっと彼の笑みに見惚れていた。
▫︎◇▫︎
「みーちゃん、小さい頃からずっとずっと好きです!僕と結婚して妃になってください!!」
「はい!」
懐かしい想いに浸っていたミルフィーユは、ルイボスが何を言ったかも聞かずに、彼の言った通り大きな声でお返事をしてしまった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
11
お気に入りに追加
320
あなたにおすすめの小説
とある公爵令嬢の復讐劇~婚約破棄の代償は高いですよ?~
tartan321
恋愛
「王子様、婚約破棄するのですか?ええ、私は大丈夫ですよ。ですが……覚悟はできているんですね?」
私はちゃんと忠告しました。だから、悪くないもん!復讐します!
子爵令息だからと馬鹿にした元婚約者は最低です。私の新しい婚約者は彼ではありませんよ?
マルローネ
恋愛
伯爵令嬢のカミーユ・シャスカは婚約者であり、侯爵のクロッセ・エンブリオに婚約破棄されてしまう。
カミーユには幼馴染で王子殿下であるマークス・トルドイが居た。彼女は彼と婚約することになる。
マークスは子爵令息のゼラン・コルカストを常に付き人として同行させていた。それだけ信頼のある人物だということだ。
カミーユはマークスと出会う為の日時調整などで、ゼランと一緒に居ることが増えていき……
現場を目撃したクロッセは新しい婚約者はゼランであると勘違いするのだった。
私を婚約破棄に追い込みましたけど、横の繋がりを知らないのですか?~私の妹が皇帝陛下の側室だった件~
マルローネ
恋愛
アロイド帝国の伯爵令嬢シェルは、侯爵令息のダンテに婚約破棄を言い渡される。
女性に目のないダンテは真面目なシェルでは満足できないと考え、婚約破棄をしたのだ。
シェルは悲しむことになるが、彼女の妹はなんと皇帝陛下の側室の立場にある。
大変な目に遭うのは誰なのか……ダンテは気付いていなかった。
同時にシェルの友人である侯爵令息のハロルドも現れた。シェルは周りに助けられながら、新しい幸せを掴んでいく……。
はじめまして婚約者様 婚約解消はそちらからお願いします
蒼あかり
恋愛
リサには産まれた時からの婚約者タイラーがいる。祖父たちの願いで実現したこの婚約だが、十六になるまで一度も会ったことが無い。出した手紙にも、一度として返事が来たことも無い。それでもリサは手紙を出し続けた。そんな時、タイラーの祖父が亡くなり、この婚約を解消しようと模索するのだが......。
すぐに読める短編です。暇つぶしにどうぞ。
※恋愛色は強くないですが、カテゴリーがわかりませんでした。ごめんなさい。
学院内でいきなり婚約破棄されました
マルローネ
恋愛
王立貴族学院に通っていた伯爵令嬢のメアリは婚約者であり侯爵令息、さらに生徒会長のオルスタに婚約破棄を言い渡されてしまう。しかも学院内のクラスの中で……。
慰謝料も支払わず、さらに共同で事業を行っていたのだがその利益も不当に奪われる結果に。
メアリは婚約破棄はともかく、それ以外のことには納得行かず幼馴染の伯爵令息レヴィンと共に反論することに。
急速に二人の仲も進展していくが……?
婚約破棄と言いますが、好意が無いことを横においても、婚約できるような関係ではないのですが?
迷い人
恋愛
婚約破棄を宣言した次期公爵スタンリー・グルーバーは、恥をかいて引きこもり、当主候補から抹消された。
私、悪くありませんよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる