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番外編
女狐はできるメイドさま 6
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▫︎◇▫︎
「ん、」
カロリーナは陽光の眩しさに目を覚ました。
あれからどうやって部屋に戻ったのかの記憶がない。状況から判断するに、お見合いをするように勧められ、そして、呆然としたままぼーっとして部屋に戻ったのだろう。ベッドに入っているのにも関わらず、服がメイド服のままだ。足に武器も仕込まれている。
「………………。」
(結婚する相手が選べないなんて当然でしょう?何を戸惑っているの。シャキッとなさい!!)
メイド長を任されていることもあり、カロリーナの部屋は1人部屋だ。そこそこ広めで家具も揃っている。貴族の娘として過ごした頃に比べれば、質素なものだが、生活が困窮しているわけでもないし、美味しいご飯と綺麗なお洋服にありつけている。
「………そうよ。私は恵まれているの。だから、奥様を困らせちゃだめ。………これ以上わがままで人に迷惑をかけちゃだめ。ちゃんとしなきゃ、ちゃんと………。」
大きく溜め息をついたカロリーナは、しわくちゃになってしまったメイド服を脱ぎ捨て、ピシッと皺一つなく整えられたメイド服を身につけた。化粧も1度落としてし直し、短い髪をハーフアップにし、髪にひらひらのついたカチューシャをつける。最後に胸元のリボンをキュッと結べば、完成だ。
「………今日も完璧!頑張れ、私、がんば、れ………。」
(どうして、ここでラウルの顔が思い浮かぶのよ………!!)
鏡の前に立ったカロリーナの目から、ぽろぽろと涙が溢れた。
幼子のようにぽろぽろと泣く姿は、幼き頃に泣けなかった分も泣いているかのようだった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「ん、」
カロリーナは陽光の眩しさに目を覚ました。
あれからどうやって部屋に戻ったのかの記憶がない。状況から判断するに、お見合いをするように勧められ、そして、呆然としたままぼーっとして部屋に戻ったのだろう。ベッドに入っているのにも関わらず、服がメイド服のままだ。足に武器も仕込まれている。
「………………。」
(結婚する相手が選べないなんて当然でしょう?何を戸惑っているの。シャキッとなさい!!)
メイド長を任されていることもあり、カロリーナの部屋は1人部屋だ。そこそこ広めで家具も揃っている。貴族の娘として過ごした頃に比べれば、質素なものだが、生活が困窮しているわけでもないし、美味しいご飯と綺麗なお洋服にありつけている。
「………そうよ。私は恵まれているの。だから、奥様を困らせちゃだめ。………これ以上わがままで人に迷惑をかけちゃだめ。ちゃんとしなきゃ、ちゃんと………。」
大きく溜め息をついたカロリーナは、しわくちゃになってしまったメイド服を脱ぎ捨て、ピシッと皺一つなく整えられたメイド服を身につけた。化粧も1度落としてし直し、短い髪をハーフアップにし、髪にひらひらのついたカチューシャをつける。最後に胸元のリボンをキュッと結べば、完成だ。
「………今日も完璧!頑張れ、私、がんば、れ………。」
(どうして、ここでラウルの顔が思い浮かぶのよ………!!)
鏡の前に立ったカロリーナの目から、ぽろぽろと涙が溢れた。
幼子のようにぽろぽろと泣く姿は、幼き頃に泣けなかった分も泣いているかのようだった。
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