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38 2度あることは3度ある
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「喰らええええぇぇぇぇぇーーー!!!」
「な?入っただろう2度あることは3度あるって。」
「そうね。」
「ぐはっ!!!!」
忍び寄ることができていると思い込んでいたガイセルは見事にギルバートによって返り討ちに遭い、またもや床に転がされてしまった。
ゴキッという鈍い音がするほどにキツく殴られたガイセルは床で悶え苦しんでいるが、メアリーはそんな彼を見ても同情することはなく、それどころか面倒くさそうに深いため息をつくだけだった。
ーーガチャン
唐突に王族専用の豪奢で大きな扉が開かれ、優しくミルクティー色の髪にキラキラとしたサファイアの人を持つ優しげな雰囲気の男と、メアリーととてもよく似た、否、全く同じ色彩を持った、けれど、吊り目がちで全くもって印象の異なる女性が入場してきた。
彼らを始めて目にしたメアリーだったが、彼が第2王子であると直感によって感じ取っていた。
「あーあ、本当に愚かな兄上だね。」
男の初めて放った言葉には、ガイセルにはない威厳のような人を惹きつけるものがあった。
(あぁ、このお方なら………。)
メアリーは微笑みを浮かべて、そっと、憧れのような、自慢のような、そんな自慢げな表情を浮かべているギルバートへと視線を向けてその表情の奥に隠されている心の内を伺った。
「申し訳ございません、レイナード王太子殿下。ちょっと気が立ってしまいまして………。」
「あぁ、構わないよ。どうせ君が愛してやまないという幻の婚約者殿を侮辱されたのだろう?」
「何度も申し上げておりますが、決して幻ではございません。」
レイナードは楽しげな表情でギルバートを揶揄い、ギルバートはその端正な顔を不満げに、けれども楽しそうに歪めた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「な?入っただろう2度あることは3度あるって。」
「そうね。」
「ぐはっ!!!!」
忍び寄ることができていると思い込んでいたガイセルは見事にギルバートによって返り討ちに遭い、またもや床に転がされてしまった。
ゴキッという鈍い音がするほどにキツく殴られたガイセルは床で悶え苦しんでいるが、メアリーはそんな彼を見ても同情することはなく、それどころか面倒くさそうに深いため息をつくだけだった。
ーーガチャン
唐突に王族専用の豪奢で大きな扉が開かれ、優しくミルクティー色の髪にキラキラとしたサファイアの人を持つ優しげな雰囲気の男と、メアリーととてもよく似た、否、全く同じ色彩を持った、けれど、吊り目がちで全くもって印象の異なる女性が入場してきた。
彼らを始めて目にしたメアリーだったが、彼が第2王子であると直感によって感じ取っていた。
「あーあ、本当に愚かな兄上だね。」
男の初めて放った言葉には、ガイセルにはない威厳のような人を惹きつけるものがあった。
(あぁ、このお方なら………。)
メアリーは微笑みを浮かべて、そっと、憧れのような、自慢のような、そんな自慢げな表情を浮かべているギルバートへと視線を向けてその表情の奥に隠されている心の内を伺った。
「申し訳ございません、レイナード王太子殿下。ちょっと気が立ってしまいまして………。」
「あぁ、構わないよ。どうせ君が愛してやまないという幻の婚約者殿を侮辱されたのだろう?」
「何度も申し上げておりますが、決して幻ではございません。」
レイナードは楽しげな表情でギルバートを揶揄い、ギルバートはその端正な顔を不満げに、けれども楽しそうに歪めた。
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