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37 お砂糖たっぷり
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「アリー、」
「仕事ができる限りでならアイツを好きにしていいわ。」
「分かった。感謝するよ。」
ギルバートの身体に帯び始めた殺気を手慣れた雰囲気でするりと受け流したメアリーは、困った子供をみる母親のような慈悲深い表情でギルバートを見つめた。
「怪我は絶対にしないでね。」
「私があんな弱い屑に負けるとでも?」
「いいえ、思っていないわ。でも、絶対怪我をしないとも言い切れないわ。ネズミだって襲ってきた猫に牙を剥いて反撃することもあるし、何より、馬鹿のすることの予測ってとっても難しいんだもの。」
「分かったよ。十分に注意する。」
「ん。」
ギルバートのしっかりと節の通った男らしく綺麗で、けれども無骨な剣だこのある手を、小さくて傷一つない真っ白な両手でぎゅっと握り込んだメアリーは、うるうるとした瞳をギルバートに向けて不安気に表情を歪めた。
「はぁー、見ているこっちの気にもなってほしいものね。」
ここで本音をぶちまけた勇者たるカロリーナに、会場内の皆皆様は内心で盛大に拍手喝采した。政略結婚だと言われてもなんの疑いも持てないような、そんな高貴な身分の男女2人が本気でお互いのことを愛し合い、公衆の前で堂々とイチャイチャするのであるから、当然の反応だろう。
そして、そんな2人に注目が入っているのがいいことに、男は狂気の孕んだ笑みを浮かべた仮面をそのままに、音もなく愛し合う2人の元へと小さく、けれども、着実にどんどんと歩みを進めて行ったが、とある2人を除いてはその男の歩みに気づく者はいなかった。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「仕事ができる限りでならアイツを好きにしていいわ。」
「分かった。感謝するよ。」
ギルバートの身体に帯び始めた殺気を手慣れた雰囲気でするりと受け流したメアリーは、困った子供をみる母親のような慈悲深い表情でギルバートを見つめた。
「怪我は絶対にしないでね。」
「私があんな弱い屑に負けるとでも?」
「いいえ、思っていないわ。でも、絶対怪我をしないとも言い切れないわ。ネズミだって襲ってきた猫に牙を剥いて反撃することもあるし、何より、馬鹿のすることの予測ってとっても難しいんだもの。」
「分かったよ。十分に注意する。」
「ん。」
ギルバートのしっかりと節の通った男らしく綺麗で、けれども無骨な剣だこのある手を、小さくて傷一つない真っ白な両手でぎゅっと握り込んだメアリーは、うるうるとした瞳をギルバートに向けて不安気に表情を歪めた。
「はぁー、見ているこっちの気にもなってほしいものね。」
ここで本音をぶちまけた勇者たるカロリーナに、会場内の皆皆様は内心で盛大に拍手喝采した。政略結婚だと言われてもなんの疑いも持てないような、そんな高貴な身分の男女2人が本気でお互いのことを愛し合い、公衆の前で堂々とイチャイチャするのであるから、当然の反応だろう。
そして、そんな2人に注目が入っているのがいいことに、男は狂気の孕んだ笑みを浮かべた仮面をそのままに、音もなく愛し合う2人の元へと小さく、けれども、着実にどんどんと歩みを進めて行ったが、とある2人を除いてはその男の歩みに気づく者はいなかった。
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