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27 相応のお礼

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「ギル?」
「ーー、アリー、助けに行ってあげないのかい?」
「あ!すっかり忘れてしまっていたわ!!」
「はは、君にとって彼女はその程度の人間なんだね。」

 ギルバートは心底嬉しそうに笑った後、カロリーナのいる方向を顎でしゃくった。

「行っておあげ。」
「えぇ!行ってくるわ!!」

 メアリーは大きく頷いてから、床に蹲っているカロリーナの元へと歩みを進めた。

「大丈夫ですか?」
「…………。」
「っ、大、丈夫、では、ありませんね。」

 メアリーはまるで自分が殴られたかのようにぎゅうっと眉間の皺を寄せ、目に涙まで浮かべて痛ましい表情を浮かべた。

「大丈夫です。彼にはちゃんとあなたが殴られた分までそれ相応のをして置いて差し上げますから。」

 深呼吸をして心を落ち着けたメアリーはふっと仄暗いさを感じる笑みを浮かべた。
 メアリーは怒っている。それはそれは手がつけられないくらいに激怒している。
 彼は見事なまでにすっぽりとメアリーの地雷を踏み抜いてしまったのだ。だが、この会場内でこのことに気がついているのはギルバートだけだろう。

 ふんわりと優雅な仕草で立ち上がったメアリーはガイセルの方を向いた。

「馬鹿クソゴミ屑虫野郎様?真心怨念のたっぷり籠ったお送り物を受け取るご準備はよろしいですか?」
「はあ?」

 そう、メアリーは王家の人間でさえも制御不可能なギルバートを押しのけてしまうほどに、この場において最も怒らせてはいけない人物なのだ。そして、そんな彼女を怒らせてしまったことに気がついているのと同時に、止めることができるのはギルバートだけなのだ。

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