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19 口調
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「ねぇアリー、もうガイセル殿の断罪中断にして帰らない?私、面倒くさくなってきたんだけど。」
「そうね、面倒くさいわね。」
愛おしむように優しくメアリーの絹のようにさらりとした髪に触れたギルバートが言った言葉に、メアリーは本心を返した。
「あ、アリー今敬語なしで砕けた本心を話してくれたね!!」
「ふぇ!?」
素っ頓狂なメアリーの悲鳴は、カロリーナのあげた悲鳴とは比べようもないほど、とても幼く愛らしかった。
「そのままにしてよ!!私は砕けた口調の君とお話ししたいな。」
「あ、あぅー、………ギルの意地悪、でも、わ、分かった、わ。」
「うん、とっても良い子だ。」
ギルバートの手が髪からメアリーの頭に移り、絶妙な力加減で頭を撫でた。
メアリーは、恥ずかしそうにしながらも、無意識のうちにご機嫌な子猫のようにギルバートの手にスリスリと擦り寄った。
「………ここ30分で沢山のことが変わってしまった気がする。」
ぽつりとしたメアリーの独白がこぼれ落ちた。幸せそうな安心し切った表情には、ギルバートへの壮絶なまでの厚い信頼が滲んでいた。
「そうだね、良い方向に変わったね。」
「そうかしら?」
「そうだよ。」
「ギルがそう言うなら、そういうことにするわ。」
(ギルはいつも私を安心させてくれる。私の欲しい言葉をくれる。一時は顔を合わせられないほどにすれ違っていただなんて今ではまったくもって考えられないわね。)
メアリーは愛おしいもう少しで旦那様となるギルバートの顔を見て、思考を過去の旅へと連れ出した。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「そうね、面倒くさいわね。」
愛おしむように優しくメアリーの絹のようにさらりとした髪に触れたギルバートが言った言葉に、メアリーは本心を返した。
「あ、アリー今敬語なしで砕けた本心を話してくれたね!!」
「ふぇ!?」
素っ頓狂なメアリーの悲鳴は、カロリーナのあげた悲鳴とは比べようもないほど、とても幼く愛らしかった。
「そのままにしてよ!!私は砕けた口調の君とお話ししたいな。」
「あ、あぅー、………ギルの意地悪、でも、わ、分かった、わ。」
「うん、とっても良い子だ。」
ギルバートの手が髪からメアリーの頭に移り、絶妙な力加減で頭を撫でた。
メアリーは、恥ずかしそうにしながらも、無意識のうちにご機嫌な子猫のようにギルバートの手にスリスリと擦り寄った。
「………ここ30分で沢山のことが変わってしまった気がする。」
ぽつりとしたメアリーの独白がこぼれ落ちた。幸せそうな安心し切った表情には、ギルバートへの壮絶なまでの厚い信頼が滲んでいた。
「そうだね、良い方向に変わったね。」
「そうかしら?」
「そうだよ。」
「ギルがそう言うなら、そういうことにするわ。」
(ギルはいつも私を安心させてくれる。私の欲しい言葉をくれる。一時は顔を合わせられないほどにすれ違っていただなんて今ではまったくもって考えられないわね。)
メアリーは愛おしいもう少しで旦那様となるギルバートの顔を見て、思考を過去の旅へと連れ出した。
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