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14 恋
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「ギル様、お話を戻しましょう。私、先程気分が変わりましたの。」
メアリーは商談用の笑みを浮かべて言った。先程の“お空からお金が降る”という自分が言った言葉によって商売スイッチがオンになってしまったらしい。
「……分かったよ。でも、君もとても疲れているんだから、ほどほどにすると約束してくれ。私の愛しのアリーにもしものことがあったら、私はどんな幸せなことがあろうとも耐えられない。おそらく君を追ってすぐにでもこの命を絶ってしまうだろう。君のいない人生など、私には考えられない。」
「まぁ!ギル様、私、不吉ながら、とても、とっても嬉しゅうございますわ。ギル様にそんな風に思っていただけるだけで、天にもの登れそうなほど幸せですわ。」
「そうか、ならば必ず体調には気をつけておくれ。」
「承知いたしましたわ!!この命にかけてでも、ギル様のお願い、しかと完遂いたしますわー!!」
この会場にいるご令息たちは、メアリーの恋する乙女の表情に見惚れると同時にそんな美しいメアリーに恋をされるギルバートに嫉妬した。かたやご令嬢たちは、妖艶で格好良く、未来が保証されている公爵家の嫡男であるギルバートの懇願するようような弱々しい声と真摯な瞳に、ときめきいっぱいの恋をした。普段は汚物を見るような瞳や表情と、冷ややかな口調から紡ぎ出される放送禁止レベルの罵詈雑言によって、恐怖しか抱けない彼が唐突にあそこまで紳士で甘々になったのだから、恋をしてしまうのは当然の流れだろう。巷でいうところのギャップ萌えというやつである。
「あ、あのぉ、ギルバートさまぁ、そんな卑しくてイジワルな女狐じゃなくてぇ、カロンと遊びませんかぁ?」
「んな!?カロリーナ!?」
ギルバートに陥落してしまった乙女の中には、見事にカロリーナも含まれていた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
メアリーは商談用の笑みを浮かべて言った。先程の“お空からお金が降る”という自分が言った言葉によって商売スイッチがオンになってしまったらしい。
「……分かったよ。でも、君もとても疲れているんだから、ほどほどにすると約束してくれ。私の愛しのアリーにもしものことがあったら、私はどんな幸せなことがあろうとも耐えられない。おそらく君を追ってすぐにでもこの命を絶ってしまうだろう。君のいない人生など、私には考えられない。」
「まぁ!ギル様、私、不吉ながら、とても、とっても嬉しゅうございますわ。ギル様にそんな風に思っていただけるだけで、天にもの登れそうなほど幸せですわ。」
「そうか、ならば必ず体調には気をつけておくれ。」
「承知いたしましたわ!!この命にかけてでも、ギル様のお願い、しかと完遂いたしますわー!!」
この会場にいるご令息たちは、メアリーの恋する乙女の表情に見惚れると同時にそんな美しいメアリーに恋をされるギルバートに嫉妬した。かたやご令嬢たちは、妖艶で格好良く、未来が保証されている公爵家の嫡男であるギルバートの懇願するようような弱々しい声と真摯な瞳に、ときめきいっぱいの恋をした。普段は汚物を見るような瞳や表情と、冷ややかな口調から紡ぎ出される放送禁止レベルの罵詈雑言によって、恐怖しか抱けない彼が唐突にあそこまで紳士で甘々になったのだから、恋をしてしまうのは当然の流れだろう。巷でいうところのギャップ萌えというやつである。
「あ、あのぉ、ギルバートさまぁ、そんな卑しくてイジワルな女狐じゃなくてぇ、カロンと遊びませんかぁ?」
「んな!?カロリーナ!?」
ギルバートに陥落してしまった乙女の中には、見事にカロリーナも含まれていた。
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