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108 教えてよ、

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▫︎◇▫︎

 優奈が素っ頓狂なことを言ってお勉強会を去った後、心菜は立花に送られて家に帰宅していた。帰宅中、なぜか彼の顔を見れなくてあたふたとしてしまった心菜は、部屋に戻ってすぐにお洋服を取ってお風呂に入った後、ベッドにダイブして枕に顔を押しつけて奇声を上げた。

「~~~ーーー………………!!」
(ゆーなちゃんの、ばかあああぁぁぁあああ!!)

 どうして1人にしたのか、どうして心菜に何も言わずに、いつのまにか彼氏ができていたのか、心菜には優奈に聞きたいことがいっぱいあった。
 だが、心菜には優奈への連絡手段がない。

「………こんなとき、メッセージアプリがあったらな………………」

 3年目になる相棒のタブレットをベッドから起き上がって抱きしめたい心菜は、中学3年生にもなって入れてもらえないメッセージアプリに、ため息を落とす。
 心菜の周囲の友人はみんな持っているメッセージアプリ。
 けれど、心菜はそのアプリを持っていない。それどころか、心菜の相棒のタブレットは元々入っている検索アプリぐらいしか使用するものがない。それ以外の追加ダウンロードアプリなど、何も入っていないのだ。

「………ゆーなちゃんのばか」

 口に出してみると余計にしっくり来る言葉を吐露しながら、心菜はタブレットを真っ白なお勉強机の上に置く。

「………立花のこと、本気だったくせに、なんで外で彼氏なんか作ったの?………ばかばかばかばか、………ばか」

 ぽつぽつと呟いても、幼馴染もむうっとくちびるを尖らせたような表情が見えることもも、不機嫌そうでいて困ったような声が聞こえることも、ぎゅっと心菜のほっぺたを引っ張るような感覚もない。
 ただ虚しい1人だけの空間。
 その中で、心菜はただただ文句を1人愚痴り続ける。

「………どうして私に、立花を観察させたりしたの?
 ………どうして私に、感情を教えようとしているの?
 ………どうして私に、何にも相談してくれないの?
 ………わかんないよ、ゆーなちゃん。
 ………心菜、馬鹿だから、分かんないよ」

 いつも心菜を正しいと思える道に導いてくれる優奈。彼女の読めない行動に、心菜はぐっと涙に濡れた視界をごしごしと擦りながら、ぎゅっとくちびるを噛み締める。

「………教えてよ、ゆーなちゃん」

********************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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