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94 心菜は捨てにいく
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無言でアイスを食べ続けた心菜は、全てを食べ切った後も甘いもので口を満たしたと言う幸せな余韻に浸りながら、ぼーっとしていた。
(私が『立花に惚れたか』か………、そりゃあ彼のことは比較的好きだよ?でも、それは友愛。男女の恋なんかのはずない。だって私は、どちらかと言ったら潔癖で、男嫌いな性格なんだから。人にものを触れられたくなくて、人の触れたものに触りたくない、そんな性格なんだから)
心菜はアイスの棒をアイスが包装されていた袋にしまって、そしてくるくると袋を包んでまとめた。ゴミはすぐに捨てるものであっても、必ずコンパクトにまとめてしまうのが心菜の長年の癖だ。燃えるゴミと燃えないゴミを分別して、その上で袋にまとめないと、心菜はいつも落ち着かなくなってしまう。辞めないといけないのは分かっているのだが、そこまで悪い癖ではないから放っておくことにしている。
心菜は自分のゴミを捨てにいくついでに、周囲の子のゴミを無言で微笑みを浮かべたまま回収してゴミ箱にいく。手に持ちきれなくなって、落としそうになりながらもいじらしくゴミ箱に向かう姿は、とても可愛らしく、周囲の女子たちが頑張れ!頑張れ!!と心の中で小さくエールを送る。心菜は長女でありながら、なぜか末っ子気質で、好きになられるととことん可愛がられるのだ。背は高いのに、稀に見せる幼い仕草ゆえなのかもしれない。
ーーーふらっ、
「ふにゃ!?」
(あ、こける)
足にいきなり力が入らなくなって、呆然とした瞬間に、背中にとんっと優しい衝撃が走った。痛いと言うよりもびっくりして目を見開いた心菜は、後ろに立った少年立花にむうっとくちびるを尖らせた。
「………ありがとう」
「………お礼を言われているのに、不服です!!と叫ばれている気分なんだが?」
「………そんなことない、………はず」
どこまで行っても気が強くて強情な心菜に、はあーっと息を吐いた立花は、ぽんぽんと心菜の頭を撫でて、心菜の手から半分の、心菜がクラスメイトから回収集したゴミを奪った。
「危なっかしいから、一緒に捨てに行ってやるよ。もう運動不足の足が限界なんだろ?というか、その足で帰れんのか?」
「帰れるもん!!」
むっと返した心菜に、立花は苦笑してまた心菜の頭をぽんぽんと撫でた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
(私が『立花に惚れたか』か………、そりゃあ彼のことは比較的好きだよ?でも、それは友愛。男女の恋なんかのはずない。だって私は、どちらかと言ったら潔癖で、男嫌いな性格なんだから。人にものを触れられたくなくて、人の触れたものに触りたくない、そんな性格なんだから)
心菜はアイスの棒をアイスが包装されていた袋にしまって、そしてくるくると袋を包んでまとめた。ゴミはすぐに捨てるものであっても、必ずコンパクトにまとめてしまうのが心菜の長年の癖だ。燃えるゴミと燃えないゴミを分別して、その上で袋にまとめないと、心菜はいつも落ち着かなくなってしまう。辞めないといけないのは分かっているのだが、そこまで悪い癖ではないから放っておくことにしている。
心菜は自分のゴミを捨てにいくついでに、周囲の子のゴミを無言で微笑みを浮かべたまま回収してゴミ箱にいく。手に持ちきれなくなって、落としそうになりながらもいじらしくゴミ箱に向かう姿は、とても可愛らしく、周囲の女子たちが頑張れ!頑張れ!!と心の中で小さくエールを送る。心菜は長女でありながら、なぜか末っ子気質で、好きになられるととことん可愛がられるのだ。背は高いのに、稀に見せる幼い仕草ゆえなのかもしれない。
ーーーふらっ、
「ふにゃ!?」
(あ、こける)
足にいきなり力が入らなくなって、呆然とした瞬間に、背中にとんっと優しい衝撃が走った。痛いと言うよりもびっくりして目を見開いた心菜は、後ろに立った少年立花にむうっとくちびるを尖らせた。
「………ありがとう」
「………お礼を言われているのに、不服です!!と叫ばれている気分なんだが?」
「………そんなことない、………はず」
どこまで行っても気が強くて強情な心菜に、はあーっと息を吐いた立花は、ぽんぽんと心菜の頭を撫でて、心菜の手から半分の、心菜がクラスメイトから回収集したゴミを奪った。
「危なっかしいから、一緒に捨てに行ってやるよ。もう運動不足の足が限界なんだろ?というか、その足で帰れんのか?」
「帰れるもん!!」
むっと返した心菜に、立花は苦笑してまた心菜の頭をぽんぽんと撫でた。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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