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70 嫌な夢
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ぼーっとしていながらも、荷物もしっかりと持って帰っているあたり、誰かがずっと庇ってくれていたのだろう。心菜はそのことに気がついてなおのことものすごく情けなくなってしまって、うぐーっとベッドの上で項垂れた。
▫︎◇▫︎
『こ、ここなちゃん、す、好きです!!』
『えっと、………あ、ありがとう?』
『………………』
小学校1年生の頃の最悪な思い出を夢見たことに、心菜は無性に苦しくなった。
目の前では幼き頃の自分が恥ずかしそうに、当時学校1のイケメンと名高かった男の子に告白されていて、無性にここで綺麗さっぱりふっとけよと思ってしまう。
男の子が駆け出して、心菜の前から消える。泣きそうになっているのを見るに、心菜の反応が芳しくなかったのが辛かったのだろう。だが仕方がない。心菜は、告白された男の子に興味を持っていなかったのだから。
そもそも、心菜は誰にも興味がなかった。遊ぶのは楽しいし、一緒にいるのは意地悪な子でなければ誰でもよかった。話が合ったらなおよしと言った感想でずっと色々な人と付き合っていた。けれど、恋愛感情が誰かにあったかと聞かれれば答えは否。みんなが『○○くんかっこいい!!』、『○○くんのことが好き!!』と言っている隣で、心菜は全くもってその意味を理解できなかった。理解しようとも思わなかった。それが地雷だったのだろうか。次の日から、心菜があまり好んでいなかった幼稚園からの同級生から、幼稚な嫌がらせを受け始めた。
『ここなちゃんって、自分勝手だよね~。マジで何様って感じ~!!』
『そうそう!ちょーっと勉強ができるからってね~』
『あ!そういえば!!ここなちゃん、運動会のリレー選手に決定したんだってー。先生が褒めてたー』
『いいよね~、使い勝手のいいぶりっ子ちゃんは~』
心菜が聞こえるか聞こえないかのぎりぎりもラインの場所で、わざわざ大声で話す女の子の言葉が、無駄に心にグサグサと刺さった。どちらかと言えば、ぶりっ子と呼ばれる分類の人間はあっちの方だった。けれど、あの子の派閥は大きくて、陰湿で、誰も注意をしようとはしなかった。
比較的穏やかな人間が集合している心菜の派閥では、誰も表立って戦わないし、みんなでただただ逃げていた。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
▫︎◇▫︎
『こ、ここなちゃん、す、好きです!!』
『えっと、………あ、ありがとう?』
『………………』
小学校1年生の頃の最悪な思い出を夢見たことに、心菜は無性に苦しくなった。
目の前では幼き頃の自分が恥ずかしそうに、当時学校1のイケメンと名高かった男の子に告白されていて、無性にここで綺麗さっぱりふっとけよと思ってしまう。
男の子が駆け出して、心菜の前から消える。泣きそうになっているのを見るに、心菜の反応が芳しくなかったのが辛かったのだろう。だが仕方がない。心菜は、告白された男の子に興味を持っていなかったのだから。
そもそも、心菜は誰にも興味がなかった。遊ぶのは楽しいし、一緒にいるのは意地悪な子でなければ誰でもよかった。話が合ったらなおよしと言った感想でずっと色々な人と付き合っていた。けれど、恋愛感情が誰かにあったかと聞かれれば答えは否。みんなが『○○くんかっこいい!!』、『○○くんのことが好き!!』と言っている隣で、心菜は全くもってその意味を理解できなかった。理解しようとも思わなかった。それが地雷だったのだろうか。次の日から、心菜があまり好んでいなかった幼稚園からの同級生から、幼稚な嫌がらせを受け始めた。
『ここなちゃんって、自分勝手だよね~。マジで何様って感じ~!!』
『そうそう!ちょーっと勉強ができるからってね~』
『あ!そういえば!!ここなちゃん、運動会のリレー選手に決定したんだってー。先生が褒めてたー』
『いいよね~、使い勝手のいいぶりっ子ちゃんは~』
心菜が聞こえるか聞こえないかのぎりぎりもラインの場所で、わざわざ大声で話す女の子の言葉が、無駄に心にグサグサと刺さった。どちらかと言えば、ぶりっ子と呼ばれる分類の人間はあっちの方だった。けれど、あの子の派閥は大きくて、陰湿で、誰も注意をしようとはしなかった。
比較的穏やかな人間が集合している心菜の派閥では、誰も表立って戦わないし、みんなでただただ逃げていた。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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