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56 遊園地へ

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 そして、あっという間に修学旅行最後のイベント、遊園地で遊ぶ時間がやってきた。み◯くの里にて、自由に遊びまくる時間だ。諸事情により、遊ぶ時間はとても短いが子供たちにとっては楽園のような時間だ。それは、心菜にとっても変わりない。それが例え、それまでの移動時間で酷い車酔いを起こして、真っ青な顔いろだったとしても、だ。

(うぅー、き、気持ち悪い………。バスなんか、この世から消えてしまえばいいのに………)
「えっと、………久遠は本当に、アトラクションに乗れるのか?」
「………問題、ないよ」

 立花の問いかけに頷いた心菜は、フラフラしながらも、みんなで事前に決めていた、1番早いジェットコースターへと向かうみんなの後を優奈と追う。

「1つ言っておくと、ジェットコースターとか速いやつは平気。ただ、ティーカップはやばいから、できれば乗りたくない」

 心菜は昔乗った、ぐわんぐわんぐるんぐるん回る地獄のティーカップを思い出して、思わず苦々しい顔をしながら答えてしまった。だが、心の底から乗りたくないのは事実だ。

「ん、了解」
「立花、そんなに心配しなくても、久遠、ジェットコースター系の速い乗り物は平気だぜ。小学校の修学旅行では、ジェットコースターに乗りまくって、一緒に遊園地を回ったメンバーを全員酔い潰すくらいには、ジェットコースターには強いから」
「よ、酔いつぶしてはない、………はずだよ?」

 そういえば、結構みんな後半になるにつれて顔色が悪くなっていたということを思い出した心菜は、一応疑問形であったとしても訂正を入れておく。そもそも、そんな人聞きの悪い言い方をするのが気に食わないのだ。

「ただ、絶対に、ゴーカートには乗せるなよ?事故が多発する」
「………下手なのか?」
「あぁ、筆舌し難いぐらいにはな」
(うぐっ、)
「そ、そうか………」

 有栖川と立花の会話を聞きながら、訂正するところがない事実を言われた心菜は、思いっきり顔を歪めてぶつくさと文句を言うしかないのだった。仕方がない。一緒に乗ったペアの子に危険運転すぎると泣かれてしまったのは事実なのだから。
 心菜は苦々しい思い出を思い出して、ぷいっとそっぽを向いて優奈の手をぎゅっと握るのだった。不思議と、幼馴染の手を握っても立花の時のように鼓動は高鳴ることがなかった。

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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