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27 おはよう祭り

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「お、立花に高梨に久遠、おはようさーん!!」

 有栖川が立花に後ろから抱きつきながら、挨拶をしてきた。小柄でクラスの中でも最も小さい彼は、高身長の心菜と立花、そして高身長でちょっとぽっちゃりな優奈の中に紛れると、1人だけ幼子が混じったように見えてしまう。身体が小さいことを誰よりも気にしている彼に伝えたら、心菜は多分相当叱られるというか、嫌味を言われ続けてしまうだろう。

「おはよう、有栖川」
「おはよう」
「おはよう」

 立花の挨拶に続いて、優奈心菜と挨拶をすると、後ろからこっちに猛ダッシュしてくる気配がした。

「おーはーよー!!」
「おはよう、新谷」
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」

 さっきと同じ順番で(最後に有栖川が増えている)挨拶をしながら、心菜は何故誰も猪突猛進しながら怒鳴るように挨拶をしてくる新谷を、誰も諌めないのか不思議でたまらなかった。というか、ここのメンバーはキャラがいちいち全員濃すぎないだろうか。コミュ症心菜に、元気いっぱいぽっちゃり優奈、意地悪で優しい突拍子もない立花に、超絶チビで元気いっぱいのお馬鹿さん有栖川、いつも怒っているように眉間の皺を寄せている、ちょっとというか、大分ずれている新谷、そして………………、

「皆さま、おはようございます。朝から元気いっぱいで何よりです」

 真面目で敬語が抜けない門川。

「おはよう、門川」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう」

 今度は最後に新谷が割り込んできた。なんというか、出会った順に追加されていくというルールでもあるのだろうか。心菜は不思議になって首をこてんと傾げた。だが、誰もその疑問には答えてくれなかった。答える気すらなさそうだった。

「そうだ。あのね、私とゆーなちゃんと立花で放課後にカフェに行く予定なんだけど、みんなも一緒にどうかな?」
「お、いいじゃん!俺行くー!!」

 心菜の誘いに最初に反応したのは、幼稚園からに腐れ縁の有栖川だった。なんだかんだ言っても、コイツもそこそこいいやつなのだ。

「じゃあ俺も行くー」
「私は塾なので遠慮しときます」

 新谷も門川も予想通りの返事だった。心菜は掴みどころのない門川に少しだけ困ってしまった。優奈の友達とはできるだけ仲良くしておきたい。
 心菜はそっと誰にも気づかれないように息を吐き出した。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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