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終幕 魔王の決心
魔王と勇者
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参りました。
我輩、プロ棋士相手に負けを認めた。
やはりプロ今の力では勝てない。
しばらくフジヤマは盤面を見ながら腕組みをし考え込んでいたが、
ふうぅううと大きくため息を吐き
「強かった…です」
そう言い切った。
結果は微差で、最後の責めの一手が軽手だと指摘された。
「それにしても、プロ並みの腕前ですね」フジヤマは笑ったが、我輩としてはまだ力及ばずといったところだろう。
しかしフジヤマというプロの将棋指しやジンといった強いと言われている少年と戦ったが我輩確信したことがある。
やはり舞殿の強さは異常である。
勝負弱さが露呈されたものの、将棋に対する根っこの深さは底知れない。
おそらくあと十年以内に舞殿はここの世界の誰よりも将棋が強くなるだろう。
そんな舞殿と戦ってみたい。
我輩、そう心底思う。
ならば…やることは一つ。
混沌の欠片から舞殿を解放するだけだ。
試合が終わり、我輩会場を後にする。
しばらくはここに来ることもなかろう。
会場入り口に立っていたノエルが我輩の姿をみると近づいてきた。
「これからどうするの?」
「目的はまず二つだ、一つは我が力の解放」
今のままでは我輩、この世界にいる魔族よりも脆弱だ。もともと自己の存在そのものを力に変えていた我輩と、生き物の負を力に変換していた者との差が著明に現れている。
我輩自身も多少は瘴気の変換は可能であるがあまりにも燃費効率が悪い、そして何よりも我輩が燃費の少ない魔法を知らないのだ。」
我輩、もっと学び工夫しなければこの世界では生き残れない。
「もう一つは?」
「勇者の育成だ」
はっ?
ノエルが首をかしげた。
「まあ、知らないのも無理はない、混沌の欠片に触れられるのは勇者のみだ、我輩では戦えても封じることはできない」
「嫌な予感がしますが…」
ノエルがぎぎぎと首を我輩に向ける。
うむ、正解だ
「そうだお前が勇者だ、我輩育ててやる」
「無理です、無理!!魔王が勇者育てるってありえないでしょ!!」
「前例はないが、もともと盟約では、魔が暴走した際は、聖と精霊が勇者をつくるシステムだ、別に魔が勇者をつくれないことはない」
「断りたいんですけど…」
「却下だ」
「ふぇえええええ、鬼、悪魔、魔王!!」
泣き言をいいながら、必死に悪口を考えるノエルであるが、それは悪口ではない。
こうして、これから起きる魔王大戦に向けて準備が始まった。
第一部 完
我輩、プロ棋士相手に負けを認めた。
やはりプロ今の力では勝てない。
しばらくフジヤマは盤面を見ながら腕組みをし考え込んでいたが、
ふうぅううと大きくため息を吐き
「強かった…です」
そう言い切った。
結果は微差で、最後の責めの一手が軽手だと指摘された。
「それにしても、プロ並みの腕前ですね」フジヤマは笑ったが、我輩としてはまだ力及ばずといったところだろう。
しかしフジヤマというプロの将棋指しやジンといった強いと言われている少年と戦ったが我輩確信したことがある。
やはり舞殿の強さは異常である。
勝負弱さが露呈されたものの、将棋に対する根っこの深さは底知れない。
おそらくあと十年以内に舞殿はここの世界の誰よりも将棋が強くなるだろう。
そんな舞殿と戦ってみたい。
我輩、そう心底思う。
ならば…やることは一つ。
混沌の欠片から舞殿を解放するだけだ。
試合が終わり、我輩会場を後にする。
しばらくはここに来ることもなかろう。
会場入り口に立っていたノエルが我輩の姿をみると近づいてきた。
「これからどうするの?」
「目的はまず二つだ、一つは我が力の解放」
今のままでは我輩、この世界にいる魔族よりも脆弱だ。もともと自己の存在そのものを力に変えていた我輩と、生き物の負を力に変換していた者との差が著明に現れている。
我輩自身も多少は瘴気の変換は可能であるがあまりにも燃費効率が悪い、そして何よりも我輩が燃費の少ない魔法を知らないのだ。」
我輩、もっと学び工夫しなければこの世界では生き残れない。
「もう一つは?」
「勇者の育成だ」
はっ?
ノエルが首をかしげた。
「まあ、知らないのも無理はない、混沌の欠片に触れられるのは勇者のみだ、我輩では戦えても封じることはできない」
「嫌な予感がしますが…」
ノエルがぎぎぎと首を我輩に向ける。
うむ、正解だ
「そうだお前が勇者だ、我輩育ててやる」
「無理です、無理!!魔王が勇者育てるってありえないでしょ!!」
「前例はないが、もともと盟約では、魔が暴走した際は、聖と精霊が勇者をつくるシステムだ、別に魔が勇者をつくれないことはない」
「断りたいんですけど…」
「却下だ」
「ふぇえええええ、鬼、悪魔、魔王!!」
泣き言をいいながら、必死に悪口を考えるノエルであるが、それは悪口ではない。
こうして、これから起きる魔王大戦に向けて準備が始まった。
第一部 完
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