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 第三章 殺人事件について

混沌と魔王

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 「次はね、もう少し過激にしたいね~」
 ハナヤマは物騒なことを言い出した。
 我輩に笑顔を向けているが目は笑っていない。

 すごく嫌な予感がする。こんなときの混沌は碌なことをしない。

「サガさんって魔王に向いていないと思うんだよね~」
「だから人間にしたのだろ?それでいいではないのか?」
「うーんそれじゃ何か面白くないんだよね、キミの適応力が高すぎるからね」
「何をする気だ」
「この世界をもう少し楽しくしようと思うんだ、この世界にふさわしい魔王を作り出す」
「はあ、何を言っているの!」
 ノエルが叫ぶ
 その反応を楽しむかのようにハナヤマは大げさに両手を広げ
「この世界で誰が魔王にふさわしいか競ってもらうよ」
「我輩、それに参加する義理はないと思うが…」
「元の世界にも戻れるようにするよ」
「別にこの世界も嫌いじゃない」
 いいや、とハナヤマは首を振る。
「絶対にキミは参加するよ」
 そう断言し
 ハナヤマは手のひらを突き出し目をつぶる。
 力の渦がハナヤマの手のひらに集まり始まる。
これは…
 「やめろ」
 我輩がそう叫んだとき、どくんと空間が胎動した。
 「何をしたの…」
 空間の違和感を感じたノエルが不安げに我輩に問う。
 我輩は、ハナヤマを睨んだ。
 ハナヤマの手には親指大の三つの赤いクリスタルが浮かんでいる。
「これが何かわかるよね」
 我輩は頷く
「人質か…」
「これはキミがつれてきた三人の人間だ。」
 シモダ、サチ、そして舞殿か…
「ヒトをクリスタルに変えたというの?」
「こやつならば造作もないことだ」
「もう答えは出たようだね、じゃあ、ボクは帰るね、下準備をしなくちゃいけないからね」
 そういってハナヤマは消えた。
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