63 / 72
第三章 殺人事件について
策士、策に溺れる。
しおりを挟む
「この世界につれてきたのがお前だということはわかった、その理由もわかった、これからお前がどうするか知りたいではあるが、まず海王はどうした?」
「えーそんなもの知ってどうするんですか、裏切り者じゃないですか~」
バカにしたようにハナヤマが笑う
「裏切りものだろうと愚か者だろうと我が配下だからな、気にはなる」
「そういうところが魔王らしくないんですよ、サガさんは」
ハナヤマは苦笑する。
「まあ、本題はこれからなのに…まあ、いいでしょう、海王シャークスさんは『これ』になりました。」
そういってハナヤマは小さな小瓶を取り出した。
親指ほどの透明なその小瓶の半分ほどに透明な液体が入っていた。
「なるほど、『変容』させたのか」
「下手に滅ぼすと気づかれるでしょ?」
確かに五芒星()は我が存在の一部から発生したものである、思考までは読めなくともどの世界だろうと存在しているかどうかなどはわかる。
だからハナヤマはその力で魔族から別の存在に変容させたというのだ。
こいつね、っとハナヤマが瓶を振る、中で液体がちゃぷちゃぷと揺れる。
「我輩を利用しサガさんを滅ぼそうとしたかったみたいだけど、そもそもボクを利用しようとする発想がおかしいよね。利用するのはあくまでもボクでしょ?」
うむ、我輩も同意する。
海王も冥王も根本的に間違っているのだ、混沌カオスは闇の味方ではないし、世界を滅ぼすことを目的にもしていない、こやつの基本原理は世界を混乱させ楽しむことであり、その結果が世界に滅びを与えてしまうのである。
こやつを目覚めさせることは無邪気な幼子に世界を託すことによく似ている。
シャークスよ策に溺れたな。
「でっここまでお膳立てしたのはどういうこと?」
ノエルが問うが体中の震えが止まらないようだ。
無理もない圧倒的な存在である。口を聞こうとするのも大変な精神力である。
吹雪の音も周囲の人間の声もいつのまに消えているということは、結界を張ってこの部屋を周囲から遮断したか、時そのものを止めたかのどちらかだろう。
「まあ、ボクの自己紹介をかねて推理ごっこで遊びたかったけどね」
まあ、飽きちゃったし
そう言ってハナヤマは肩をすくめた。
「えーそんなもの知ってどうするんですか、裏切り者じゃないですか~」
バカにしたようにハナヤマが笑う
「裏切りものだろうと愚か者だろうと我が配下だからな、気にはなる」
「そういうところが魔王らしくないんですよ、サガさんは」
ハナヤマは苦笑する。
「まあ、本題はこれからなのに…まあ、いいでしょう、海王シャークスさんは『これ』になりました。」
そういってハナヤマは小さな小瓶を取り出した。
親指ほどの透明なその小瓶の半分ほどに透明な液体が入っていた。
「なるほど、『変容』させたのか」
「下手に滅ぼすと気づかれるでしょ?」
確かに五芒星()は我が存在の一部から発生したものである、思考までは読めなくともどの世界だろうと存在しているかどうかなどはわかる。
だからハナヤマはその力で魔族から別の存在に変容させたというのだ。
こいつね、っとハナヤマが瓶を振る、中で液体がちゃぷちゃぷと揺れる。
「我輩を利用しサガさんを滅ぼそうとしたかったみたいだけど、そもそもボクを利用しようとする発想がおかしいよね。利用するのはあくまでもボクでしょ?」
うむ、我輩も同意する。
海王も冥王も根本的に間違っているのだ、混沌カオスは闇の味方ではないし、世界を滅ぼすことを目的にもしていない、こやつの基本原理は世界を混乱させ楽しむことであり、その結果が世界に滅びを与えてしまうのである。
こやつを目覚めさせることは無邪気な幼子に世界を託すことによく似ている。
シャークスよ策に溺れたな。
「でっここまでお膳立てしたのはどういうこと?」
ノエルが問うが体中の震えが止まらないようだ。
無理もない圧倒的な存在である。口を聞こうとするのも大変な精神力である。
吹雪の音も周囲の人間の声もいつのまに消えているということは、結界を張ってこの部屋を周囲から遮断したか、時そのものを止めたかのどちらかだろう。
「まあ、ボクの自己紹介をかねて推理ごっこで遊びたかったけどね」
まあ、飽きちゃったし
そう言ってハナヤマは肩をすくめた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。~
月見酒
ファンタジー
高校に入ってから距離を置いていた幼馴染4人と3年ぶりに下校することになった主人公、朝霧和也たち5人は、突然異世界へと転移してしまった。
目が覚め、目の前に立つ王女が泣きながら頼み込んできた。
「どうか、この世界を救ってください、勇者様!」
突然のことに混乱するなか、正義感の強い和也の幼馴染4人は勇者として魔王を倒すことに。
和也も言い返せないまま、勇者として頑張ることに。
訓練でゴブリン討伐していた勇者たちだったがアクシデントが起き幼馴染をかばった和也は命を落としてしまう。
「俺の人生も……これで終わり……か。せめて……エルフとダークエルフに会ってみたかったな……」
だが気がつけば、和也は転生していた。元いた世界で大人気だったゲームのアバターの姿で!?
================================================
一巻発売中です。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる