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幕間 娯楽について
舞と魔王 休日(午前~午後)
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ぱちりと駒が鳴る。
1四歩と舞殿が歩を控えて打つ。
この一手は対戦相手も呼んでいなかったらしく、しばらく盤を凝視したあと、絞りだすように、
--負けました
そう言って頭を下げた。
ふうぅぅぅ~
我輩思わずため息が漏れた、これで一勝である。
サチによればあと一勝すれば舞殿は予選突破できるらしい。
しかし、すごい緊張感である。大人も子ども同じ盤で本気で戦う熱気に我輩も当てられる。
「この緊張感は疲れますね」サチが我輩にお茶を差し入れしてくれる。
「加藤さんも次回参加したらどうですか?」
うむ、それは我輩も考えていた、ついに我輩、舞殿との差が香車一枚にまで迫っているのだ、なかなかの強さになったと自負している。
「舞殿には勝てないが、まあ、二番手にはなれるかもな」
そう答えると、サチさんがくすくす笑ってそんなに甘くないですよ、と奥の子を指差した。
奥の席には舞殿と同じくらいの男の子が扇子をもって将棋を指していた。
高齢の大人が必死で指している中、涼しげだ。
「なんだかえらそうな奴だな」
「あの子が仁君、舞と同じ年齢だけど、もう5段でももうすぐプロ養成学校へ入学できるの」
「プロ?それはなんだ、将棋が強いということか?」
「ええ、プロって言うのは対局で賞金がもらえる人、将棋はとんでもなく強いわ」
「なるほど、では舞殿はいずれプロになるというわけか」
そう言うと、サチはううんと首を振って
「今ままのサチではなれないと思う、全然届かない」
そんなに高い壁なのか、信じられない。
我輩愕然とする、舞殿の強さは天性だと思っていたがまだまだ上に化け物がいるということか。
しかし、
「本日の舞殿はどこか、将棋が違うな」
そういうとサチが悲しそうに頷いた。
「あの子と私は本当は親子じゃないの、本当は私のお姉ちゃんの子なんだけど両親とも事故で亡くなってね、その原因がね、」
まいりました。そう舞殿が小さく頭を下げた。
負けたのか?こんなにあっさり?
始まって10分も立たずに舞殿が負ける。
「お姉ちゃん達は二人で小さな美容室していたの、でも3年前に舞が大会決勝戦に出れたから、間に合わそうと急いで車を運転したら事故にあってしまって、」
それからなの
まいりました。再び舞殿が小さく頭を下げた。
二連敗、これで舞殿は予選敗退が決まった。
「舞が予選負けしかしなくなったのは、
ぱちり、ぱちりと音が響いている
その中で舞殿が小さく見えた。
1四歩と舞殿が歩を控えて打つ。
この一手は対戦相手も呼んでいなかったらしく、しばらく盤を凝視したあと、絞りだすように、
--負けました
そう言って頭を下げた。
ふうぅぅぅ~
我輩思わずため息が漏れた、これで一勝である。
サチによればあと一勝すれば舞殿は予選突破できるらしい。
しかし、すごい緊張感である。大人も子ども同じ盤で本気で戦う熱気に我輩も当てられる。
「この緊張感は疲れますね」サチが我輩にお茶を差し入れしてくれる。
「加藤さんも次回参加したらどうですか?」
うむ、それは我輩も考えていた、ついに我輩、舞殿との差が香車一枚にまで迫っているのだ、なかなかの強さになったと自負している。
「舞殿には勝てないが、まあ、二番手にはなれるかもな」
そう答えると、サチさんがくすくす笑ってそんなに甘くないですよ、と奥の子を指差した。
奥の席には舞殿と同じくらいの男の子が扇子をもって将棋を指していた。
高齢の大人が必死で指している中、涼しげだ。
「なんだかえらそうな奴だな」
「あの子が仁君、舞と同じ年齢だけど、もう5段でももうすぐプロ養成学校へ入学できるの」
「プロ?それはなんだ、将棋が強いということか?」
「ええ、プロって言うのは対局で賞金がもらえる人、将棋はとんでもなく強いわ」
「なるほど、では舞殿はいずれプロになるというわけか」
そう言うと、サチはううんと首を振って
「今ままのサチではなれないと思う、全然届かない」
そんなに高い壁なのか、信じられない。
我輩愕然とする、舞殿の強さは天性だと思っていたがまだまだ上に化け物がいるということか。
しかし、
「本日の舞殿はどこか、将棋が違うな」
そういうとサチが悲しそうに頷いた。
「あの子と私は本当は親子じゃないの、本当は私のお姉ちゃんの子なんだけど両親とも事故で亡くなってね、その原因がね、」
まいりました。そう舞殿が小さく頭を下げた。
負けたのか?こんなにあっさり?
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それからなの
まいりました。再び舞殿が小さく頭を下げた。
二連敗、これで舞殿は予選敗退が決まった。
「舞が予選負けしかしなくなったのは、
ぱちり、ぱちりと音が響いている
その中で舞殿が小さく見えた。
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