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第二章 心霊現象について
魔王の妖気
しおりを挟むまずどういうつもりか説明してもらえませんか、
ノエルが我輩を睨む
が、かなり動揺しているらしく手元の珈琲カップが震えていた。
あれから一通り依頼内容と金額の打ち合わせを終えた後、サチと舞をノエルの部屋に保護した後、我輩とノエルは近くの喫茶店で打ち合わせという名目で話っている。
まあとても穏やかに話し合う雰囲気ではないのだが、
まず我輩がいかに安全な存在か伝えよう。
「我輩転生してな、見てのとおり貧弱な体になってしまったのだ」
「ああ、うん、貧弱ですか、ああ、ううん?」
ノエルの端正な顔が崩れ微妙な顔になる。どこが貧弱だぁあああ、と叫びそうになっているのを必死に押し殺しているのだろう。
うん、それは我輩もわかる。
我輩体は貧弱でも魂は魔王なので妖気は巨大である。例えるならば竜の姿のままでスライムに対して、俺弱いんだ、と告白されてもスライムの方は困るだろう。
妖気はそのままだと周囲の人間達にも危険なので抑えているが、見えるやつには見えるのだ。
「しかし魔術は使えんのだ」
いくら妖気を溢れさせても所詮は気迫とかそんな類のもので力に変えられない、まあ全力で妖気を流したらこの町の全ての人間が原因不明の体調不良になる程度である。
「それでも十分な脅威ですけどね、でもそれが今回のケースでは悪影響を及ぼしています。」
「どういうことだ」
「どうして貴方をここに移動させたかわかりますか?」
「あの二人に話を聞かせないように、そして我輩がノエルに対して物騒なことをしないよに抑制効果を狙って、ということか?」
「一つは正解ですがもう一つはまったく不正解です、抑制効果など期待はしていません。あなたが仮に元の能力が一万分の一でも残っていたらまったく意味をもちません」
確かにその通りである、我輩の力の一万分の一でも町一つは荒野にできる。
「私がここに貴方を呼んだのは、単純に家だと部屋中の護符が貴方に反応して焼き切れてしまうからです」
「ああ、どうりでちりちりすると思った。」
でしょうね、すごく呆れた表情でノエルがうなだれた。
「あれは強力な護符ですよ、弱め目の魔物なら近づくだけでも消滅するくらいの威力があります、それでも貴方相手じゃ1秒も持たない」
「そうなのか?」
「そうなんですよ、それにあの二人を狙っている悪霊はチープでも地味でもありません、れっきとした上級霊ですよ。」
「そうなのか?」
「そおおなんですよぉぉ」
ばんばんと机をたたきだした。
ノエルがすごく興奮してきてきた。
周囲の視線が痛い
おそらく周囲からは別れ話のもつれのように見えるだろうなあ、と思ったが彼女には言わないほうが良いだろう。
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