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 第二章 心霊現象について

魔王、自宅捜索する。

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 さっそくサチの自宅へに入った。

 舞も近所のファミリーレストランという食堂で待機していたらしく、合流し自宅に入る。
 なぜかシモダまで着いて来た。
 シモダとしては独身のおっさんが一人で若い女性の自宅へ行かせるのは気が引けるということらしい。

 我輩、何度か自宅におじゃまして舞と将棋を指しているが言わないほうがいいだろう。

 ドアを開けると少し肌寒し空気が暗闇から流れ出す。
 
 少し澱んだ空気だ。
 妖気か、
 瘴気とは違う、そこに妖魔がいた証。
 皆が妖気に当てられ、うっとたじろいた。

 我輩はかまわず部屋に入る。

 ばぢっと小さい破裂音がする。

 えっ?
 サチが心底驚いたように周囲を見渡す。

 無理もない
 あれほど澱んでいた空気が澄んだのだから。

 これは言うまでもなく我輩の力である。
 
 我輩、一応魔王である。

 肉体は貧弱で脆弱で欠陥の多いおっさんの体であるが、魂は魔王のままである。
 現在の体では肉弾戦や魔力を使った力などで攻撃されたらひとたまりもないが、魂に働きかける攻撃などには無敵に強さを誇る。

 なんせ魔王である。
 
 よって魂や精神面を侵食する類の霊的攻撃など効くわけもなく、我輩が家に入るだけで妖気を使った結界はすぐに破れ霧散される。

 我輩が何かするまでもないのである。

「カトウすごいね」舞が心底感心したように我輩を見る。
 我輩も舞の尊敬のまなざしに少しうれしくなる。

 うむ、そうだぞ、ただの駒落ちで勝てないおっさんではないのだぞ。

 ただ、しかし

 「これで終わったわけではないだろう」

 これは明らかに妖魔の仕業である。このまま手を引くとは思えない。
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