上 下
23 / 72
 第一章 日常生活について

日常生活

しおりを挟む
ナカニシは床で倒れ、ナナオ達は成り行きを唖然と見ている。
 我輩はナカニシに近づく
「殺せ」
 観念したのかナカニシは我輩にそう告げる。
「何を勘違いしている、お前は殺さない、お前にはやることをがある。」
 我輩は携帯をナカニシに渡す。
「これは命令だ、お前にはフクシャチョウをやる、好きにすればいい、だが持ち逃げしたお金は返してもらう。」
 ナカニシはしばらく我輩を見ていたが、くっくっくと笑い
「お前、俺を使うということか」
 やはりナカニシは良い、弱肉強食の摂理をわかっている。
 非常に扱いやすい。
 わかった
 ナカニシは右手で携帯を受け取る。
「お前の言うことを聞くよ」
 そういってビルの出口に向かった。
「ナナオ達も好きにすればいい、こいつらの死体は俺が始末しておく」
 そう告げた。
 やはりシンプルで良い
 我輩は頷いた。


 あれから三ヶ月が経過した。

 我輩は新しいカイシャでパソコンを打っている。
 「加藤君、依頼していたプログラムはどうだ?」
 髭のシモダは我輩に問う。
 「出来ているぞ」我輩はデータをシモダに見せた。
 「加藤さん仕事すごく早いですね」
 サチが感心したように話しかける。
 「そうか、普通だと思うが」
 あれからカイシャは倒産した、オオワダの遺体が海から上がり自殺とされた。
 遺言書にはカイシャのデーターを盗み流出したことが書かれていた。
 持ち逃げされたお金はなぜかシモダの元に戻り、シモダは小さいながらのカイシャを立ち上げた。
 我輩とサチはその小さい会社の従業員である。
 
 ナナオは金髪の彼氏と我輩のことは話さないと約束し別の場所に引っ越した。
 
 まあ、振り返るとこの三ヶ月は平穏な日常だった。
 
 「それにしても加藤さん雰囲気ずいぶんかわりましたね」
 サチが我輩みてしみじみ呟く。
 「以前は、口調もぼそぼそして細くて暗い、四十超えた怖いオジサンとして見ていたんですけど、全然今がいいですよ」
 カトウの日記を思い出す。

 (カトウ日記抜粋)
 サチについて
 サチは俺に気があるらしく、何度もこちらに色目を使ってくる、しかし俺はナナオ一筋であるし何より、子持ちと付き合う気はない
 すまん許してくれ



 うむ、カトウよ、お前の見る目はどうなっているだ。
 お前と同じ姿でいる我輩の身になってくれ。

 我輩は再び羞恥心で悶絶しそうになる。


 第1章 日常生活について 了
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件

後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。 転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。 それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。 これから零はどうなってしまうのか........。 お気に入り・感想等よろしくお願いします!!

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界転生した俺らの愉快な魔王軍

喜多朱里
ファンタジー
魔神の力によって異世界転生した憐れな元日本人達は、魔王軍となり人類と戦う尖兵とされてしまった。 最も魔力を持っていたという理由だけで魔王となった転生者は、前世の知識と転生者同士の魂の繋がりを利用して、自分達に馴染み深いネット掲示板を模した『転生チャンネル(通称:Tch)』を構築する。 圧倒的な情報伝達速度で人族を圧倒する――なんてことはなく、今日も今日とて魔王軍は魔神様に怒られない程度に働いて、自由気ままに異世界ライフを楽しんでいた。 これはいずれ世界を支配する愉快な魔王軍の異世界攻略記。 なお現地民からすると恐るべき軍団であり、両陣営の温度差は凄まじいものとする。

処理中です...