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3章 霊竜同盟国バビロニア

66.新居と初夜

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 冒険者登録を終えてから一日経つ。
 俺は今荷物を持ちながら設置している。冒険者登録をしてから少しだけ見た。
 家の形は日本で言う在来工法で出来た木製の家で、広さは34坪であり作業用の地下室もある。
 確かにこの家はアリスが良いと言って言うのも納得だ。確かに数人住めるし、地下室で銃器開発にはかどれるからとてもいい場所に、賃貸で問題の家賃が銀貨五枚だと言う優良物件だ。
 一応事故物件じゃないか少し霊はいないか調べてもいない事を知れたし、さっそく荷物や家具をまとめて新居に向けて運ぶ。
 日常生活に必要な家具や料理器具を一時ダイニングに置き、置き場所を決めて設置する。ちなみにアリオンは非力なため、食器や小さめの家具を運ぶように言ってあるから怪我をすることはない。

「アレス、この棚はどこに置くの?」
「その棚はキッチンに置いてくれ」
「アレス、この機材は地下室に置いておけばいいか?」
「アア、地下室は後で整理するから置いてくれ」

 俺はアリス達と手伝って荷物を整理する。にしても今思うと色んな荷物があるな。
 タンスや机に食器はともかく、作業机や溶鉱炉などあるからな。普通の家庭だったらとっても驚くだろうな。
 そう思いながら荷物をどんどん片付ける。
 そうして数時間経ってようやく引っ越しを終える事ができた。
 少し疲れて休憩している中、レノンが質問してくる。

「そう言えば自由組合内部に大量の人がいましたが、あれはいつも通りですか?」

 俺はそのことを思い出して、俺を含めたアリス達が首を傾げる。
 確かに初めて入った時に人が多いなとは思ったけど、人数が増えたとは言えどさすがにあの忙しさには少し変だ。
 どうしてあんなに忙しそうにしているのか考えていると、カインは心当たりがあるように手を挙げる。

「そう言えばアイネットさんが何かつぶやいていたな」

 そうなのか? 俺はカインが言った事を気になって聞く。
 カインは少し頭を掻きながら思い出そうとする。

「確か、ラ……ラフムって言っていたな」
「ラフム?」

 ヴィンセントは首を傾げながらカインが言った言葉を言う。
 その言葉を聞いて俺達も首を傾げる。
 確かラフムってバビロニア神話に出てくる怪物で、真水のアプスーと塩水ティアマトが混ざり合って生まれた男神でもある。
 そのラフムがこの世界にいるのは知っている。だが何でそのラフムはてこずっているのだろうか?
 う~ん、ラフムのことは後にしようか。
 そう思いながら新居祝いの料理を作る。
 アリスと俺は主食やサラダを作り、レノンとカインはスイーツを作る。ヴィンセントとアリオンは皿や果実酒を用意する。
 ヴィンセントとアリオンは料理をした事が無くて、代わりに準備の方に回して怪我を防ぐ。
 それにアリオンの屋敷にいた時にヴィンセントが少し手料理を披露した事がある。だが料理とは呼び難い何かの物体でヤバいものを感じて「絶対料理してはいけない……!」と感じた。
 とにかく今日作った料理は牛肉のステーキとシチュー、あとは簡易的なサラダと果実酒だ。スイーツのプリンは氷結魔法が刻まれた箱に入れてある。
 アリオンとカインは18歳だけど、二人以外はまだ飲んではいけない歳だからアルコール度数が低い果実酒にした。
 アリオンは甘い方に選んでくれたけど、この世界で初めてのお酒だから味はどれほどか……。少し手を振るえながら一口飲む。
 少しシュワシュワ感と甘い風味を感じ、飲み物で例えるなら炭酸飲料みたいなものだ。
 その後は少し雑談をしつつプリンを堪能したらアリオンは屋敷、ヴィンセントとカインは宿に帰ろうとする。

「なぁ、今日は泊まったらどうだ? 一応泊り用の布団は用意してあるし」
「イエ、お気持ちは嬉しいですが今日は遠慮します」

 アリオンは丁寧に遠慮する。
 う~ん、相手の気持ちは配慮する。だが今日はめでたい日だから泊っても良いだろう。
 そう思っているとヴィンセントが耳打ちをする。

「それにこれ以上の野暮はいらないだろ?」
「野暮って、ハッ――!?」

 俺はヴィンセントの意味を理解すると全身に電流が流れる。
 そしてアリオン達は新居から屋敷や宿に帰る。
 アリスとレノンは先に風呂に入らせ、その中で俺は少しダイニングで二人が風呂に出るまで待つ。
 だが心臓はとてつもなく早く感じ、まるで心臓がエンジンになっているように感じる。
 俺が風呂に出て寝室に行ったらついに初夜になる。しかし前の世界はブラック労働で彼女もいない歴=年齢で、この世界の性知識はあまり知らない。
 ど、どうすれば良いんだ!? こういうのは男女一組で行うのに、俺の嫁は二人いる。
 一緒に交わるのはいけいないと感じてしまうし、別々にやっても罪悪感があふれ出す。それにこの世界の避妊方法も分からない。
 これってやっぱり避妊ゴムが必要だよな? そもそもゴムがあるのか? こういうのは道具屋にありそうだがこんな時間に開いているなんて知らない。
 無理して来ても、もしなかったら元も子もない。小説やラノベでハーレム物を詠んだ事があるが、薬とか魔法であるけどそれは知らないから無理だ。
 どうすれば正しい行為をする事ができるか考えていると、アリスとレノンがダイニングにやって来た。

「アレス、そんなに考えてどうしたの?」
「アリス、ちょっとな……」

 俺はアリスの心配を返しながら振り向く。俺はアリスとレノンの姿を見てドキッと感じる。
 アリスとレノンの姿は赤と青の寝巻だ、しかしその姿は艶やかに感じてしまう。
 俺は少しドキリとしながら話す。

「えっと次は俺だよな?」
「うん、寝室で待ってるね。行こ?」
「ハイ」

 レノンは元気に答えてアリスと共に寝室へ向かう。
 俺はそれを見て徐々に落ち着き始めた。
 あれは無しだな。
 少し残念に思いながら風呂を済ませて寝室に入る。周りは少し暗くて目を擦るとアリスとレノンがベッドの上に待っていた。
 それは普通の事だが問題は姿だ。
 さっきの寝巻の色が真逆の薄いネグリジェを来て、容易く取れそうな下着を着ていた。

「好きに食べても良いよ……」
「えへへ、一杯愛してください……」

 二人は恥ずかしそうにお願いする。
 俺はその言葉を聞いて何かが千切れた音が聞こえ、一晩までアリスとレノンと愛し合った。
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