31 / 81
1.5章 旅団集落キャラバン
30.試験
しおりを挟む
眩い光に起きて周りを見る。
一瞬ここはドコか分からずに少し寝ぼけていたが、少しずつ思い出す。
「そうだ、俺今日の試験を受けるために、宿に泊まっていたんだった」
そう思いながらいつもの服に着替えて、自由組合に向かう。
しばらく歩いていると、住民が話し合っていて少し聞き耳を立てる。
「今日は新たな冒険者たちが選ばれるんだっけ?」
「そうらしい、でも今回来る悪魔は狂戦の騎士と呼ばれる公爵級の悪魔らしいぜ」
「公爵級ってかなり強いはずだろ? 大丈夫なのか?」
「そこについては、自由組合が所持する叡智王之魔導書という魔法具で使役しているから大丈夫らしいぞ」
「だったらいいけどな」
狂戦の騎士という名前に俺は少しくらいなら聞いた事はある。
狂戦の騎士と呼ばれる悪魔はソロモン72柱の一柱で、あらゆる戦術を知っていたり、武器を調達したり、未来予知や財宝の探知の能力を持っている。
しかし噂はうやむやである事はあるけど、試験対策の参考なるから覚えておこう。
そう思いながら自由組合に着いて中に入る、すると様々な武器を持った参加者たちが試験について話し合っていた。
「今回の試験に使う悪魔は何だと思う? 俺は業火の翼狼だと思うぜ」
「僕は嵐雨の主だと思うよ」
「いや、絶対狂信の豹だな」
他の参加者が予測している、どうやら参加者は試験用の悪魔は何か知らないだろう。
そう思いながら、アイネットさんに話しかける。
「アイネットさん、おはようございます」
「アッ、アレスさん。おはようございます」
アイネットさんは俺に気付くと頭を下げながら返事をする。
アイネットさんは手招きをして、何だろうと思いながら近づくと、小声で話しかける。
「(アレスさん? ルイ・アスビさんから手紙を渡されてますよね?)」
手紙って、あれか? アリス達と別れる前に渡されたやつ。
確か「もし自由組合に着いたらこの手紙を渡しておいておきな」と言っていたけどまさかこれのためか?
俺は懐から一通の手紙を差し出すと、アイネットさんは受け取って中身を確認する。
一通り見た後、アイネットさんは手紙を机の下に入れて言う。
「ルイさんの招待状を確認しました。特別にあなたが所持している銃器を試験に持っていくのを許可します」
もしかしてルイさんはこの事を予想して手紙を渡したのか? 何はともあれこれで回転式拳銃と突撃銃を持っていけるな。
しかし悪魔が再装填している間に襲い掛かったら危険だ、一応自由組合が用意してくれた武器を使わせてもらおう。
受付の近くに置いてあった武器置き場によってみる。
えっと、置いてあるのは片手剣、片手斧、槍、弓、回転式拳銃、盾などが置いてあるが、どれも素材は粗鉄で出来ていた。
俺は少し〈複製〉で性能を見た後に片手剣を選んで席に座る、その間に試験が始まるまで弾倉は十分かしっかり確認する。
そうしてしばらく待つと、自由組合の代表らしき青年がやって来る。
その姿は黒髪のショートに、緋色の瞳、細い顔つきの上に細身の体格をしている、見た目は若い方で十八歳ぐらいだろう。
その青年は頭を下げてあいさつする。
「ようこそ、自由組合の試験を受けに来た冒険者候補生達よ、僕の名前はアーク・エルメロイ。初代自由組合の総統長だ」
アーク・エルメロイと名乗った青年が初代総統長だと言う、すると俺を含んでこの場にいた者たちは驚きを隠せずにいた。
それもそのはず、なぜなら自由組合は六式魔術師が英雄となってから数年後に出来て、そして俺達が生きている時代はその数千年後だ。
もしかしてアーク・エルメロイは転生者、もしくは長寿系の天授を授かっているだろう。
なんて思っていると、昨日突き飛ばしてきた奴が、ずかずかと総統長に近づいて言う。
「お前みたいなガキが初代総統長なんて笑い種だろ?」
コイツは総統長の事を、初代を語るガキか身代わりだと思っているだろう。
しかし総統長はそんな言葉を気にせずに、アイネットさんから書類を貰って確認する。
「確か君はラノビア・ウェルシア……シルバーホース城下町の貴族階級の息子だろう?」
そう言うとラノビアと呼ばれた男は驚愕して叫ぶ。
「な、何で俺の名前を……!」
「君の情報は情報屋によって筒抜けなんだよ、もし犯罪行為をしたら父親に伝えるけどどうする?」
「ウギギ……!」
ラノビアは少しうめくと少しだけ下がった、さすがに自分の情報をばらされたりするとまずいのだろう。
ラノビアが大人しくすると、総統長は壁に架かれている壁掛けの牡鹿にある角を下げると、床から丸石で出来た扉が出現する。
この場にいる全員が驚くが、総統長は淡々と説明する。
「この扉の先には試験会場先である闘技場がある。ここで参加を拒否する事は出来るけどどうする?」
総統長は一度辞退するか確認するが、だれもこの場を去ろうとせずに残る。
一通り見ると、総統長は丸石の扉に手をかけて言う。
「それじゃあ、開けるけど少し目を閉じといて!」
叫んだと同時に扉を開ける、すると紫色の光が辺りを包み込んで、この場にいる全員があまりのまぶしさで目を閉じる。
そして何かに包まれる感覚がして、扉に引きずり込まれてしまう。
少し経って目を開くと、さっきまで酒場にいたのに、石レンガで出来た闘技場にいた。
俺を含んだ候補生達は何が起きているか分からずにいるが、向こうにいる人影に気付く。
一見すれば馬に乗った騎士だ。
だがその姿は黒く染まった禍々しい甲冑を着て、乗っている馬は憎悪と軽蔑が混ざり、手には鋼鉄の槍を持ち、穂の部分には蛇の装飾が施されていた。
この場にいる全員が一体何なのか分からずにいるが、謎の騎士が俺達に気付いて自身の名を叫ぶ。
『我が名は叡智階位十五位の公爵、狂戦の騎士なり! 我に立ち向かおうとする勇敢なる者よ、我にいふせよ、我に抗え!』
一瞬ここはドコか分からずに少し寝ぼけていたが、少しずつ思い出す。
「そうだ、俺今日の試験を受けるために、宿に泊まっていたんだった」
そう思いながらいつもの服に着替えて、自由組合に向かう。
しばらく歩いていると、住民が話し合っていて少し聞き耳を立てる。
「今日は新たな冒険者たちが選ばれるんだっけ?」
「そうらしい、でも今回来る悪魔は狂戦の騎士と呼ばれる公爵級の悪魔らしいぜ」
「公爵級ってかなり強いはずだろ? 大丈夫なのか?」
「そこについては、自由組合が所持する叡智王之魔導書という魔法具で使役しているから大丈夫らしいぞ」
「だったらいいけどな」
狂戦の騎士という名前に俺は少しくらいなら聞いた事はある。
狂戦の騎士と呼ばれる悪魔はソロモン72柱の一柱で、あらゆる戦術を知っていたり、武器を調達したり、未来予知や財宝の探知の能力を持っている。
しかし噂はうやむやである事はあるけど、試験対策の参考なるから覚えておこう。
そう思いながら自由組合に着いて中に入る、すると様々な武器を持った参加者たちが試験について話し合っていた。
「今回の試験に使う悪魔は何だと思う? 俺は業火の翼狼だと思うぜ」
「僕は嵐雨の主だと思うよ」
「いや、絶対狂信の豹だな」
他の参加者が予測している、どうやら参加者は試験用の悪魔は何か知らないだろう。
そう思いながら、アイネットさんに話しかける。
「アイネットさん、おはようございます」
「アッ、アレスさん。おはようございます」
アイネットさんは俺に気付くと頭を下げながら返事をする。
アイネットさんは手招きをして、何だろうと思いながら近づくと、小声で話しかける。
「(アレスさん? ルイ・アスビさんから手紙を渡されてますよね?)」
手紙って、あれか? アリス達と別れる前に渡されたやつ。
確か「もし自由組合に着いたらこの手紙を渡しておいておきな」と言っていたけどまさかこれのためか?
俺は懐から一通の手紙を差し出すと、アイネットさんは受け取って中身を確認する。
一通り見た後、アイネットさんは手紙を机の下に入れて言う。
「ルイさんの招待状を確認しました。特別にあなたが所持している銃器を試験に持っていくのを許可します」
もしかしてルイさんはこの事を予想して手紙を渡したのか? 何はともあれこれで回転式拳銃と突撃銃を持っていけるな。
しかし悪魔が再装填している間に襲い掛かったら危険だ、一応自由組合が用意してくれた武器を使わせてもらおう。
受付の近くに置いてあった武器置き場によってみる。
えっと、置いてあるのは片手剣、片手斧、槍、弓、回転式拳銃、盾などが置いてあるが、どれも素材は粗鉄で出来ていた。
俺は少し〈複製〉で性能を見た後に片手剣を選んで席に座る、その間に試験が始まるまで弾倉は十分かしっかり確認する。
そうしてしばらく待つと、自由組合の代表らしき青年がやって来る。
その姿は黒髪のショートに、緋色の瞳、細い顔つきの上に細身の体格をしている、見た目は若い方で十八歳ぐらいだろう。
その青年は頭を下げてあいさつする。
「ようこそ、自由組合の試験を受けに来た冒険者候補生達よ、僕の名前はアーク・エルメロイ。初代自由組合の総統長だ」
アーク・エルメロイと名乗った青年が初代総統長だと言う、すると俺を含んでこの場にいた者たちは驚きを隠せずにいた。
それもそのはず、なぜなら自由組合は六式魔術師が英雄となってから数年後に出来て、そして俺達が生きている時代はその数千年後だ。
もしかしてアーク・エルメロイは転生者、もしくは長寿系の天授を授かっているだろう。
なんて思っていると、昨日突き飛ばしてきた奴が、ずかずかと総統長に近づいて言う。
「お前みたいなガキが初代総統長なんて笑い種だろ?」
コイツは総統長の事を、初代を語るガキか身代わりだと思っているだろう。
しかし総統長はそんな言葉を気にせずに、アイネットさんから書類を貰って確認する。
「確か君はラノビア・ウェルシア……シルバーホース城下町の貴族階級の息子だろう?」
そう言うとラノビアと呼ばれた男は驚愕して叫ぶ。
「な、何で俺の名前を……!」
「君の情報は情報屋によって筒抜けなんだよ、もし犯罪行為をしたら父親に伝えるけどどうする?」
「ウギギ……!」
ラノビアは少しうめくと少しだけ下がった、さすがに自分の情報をばらされたりするとまずいのだろう。
ラノビアが大人しくすると、総統長は壁に架かれている壁掛けの牡鹿にある角を下げると、床から丸石で出来た扉が出現する。
この場にいる全員が驚くが、総統長は淡々と説明する。
「この扉の先には試験会場先である闘技場がある。ここで参加を拒否する事は出来るけどどうする?」
総統長は一度辞退するか確認するが、だれもこの場を去ろうとせずに残る。
一通り見ると、総統長は丸石の扉に手をかけて言う。
「それじゃあ、開けるけど少し目を閉じといて!」
叫んだと同時に扉を開ける、すると紫色の光が辺りを包み込んで、この場にいる全員があまりのまぶしさで目を閉じる。
そして何かに包まれる感覚がして、扉に引きずり込まれてしまう。
少し経って目を開くと、さっきまで酒場にいたのに、石レンガで出来た闘技場にいた。
俺を含んだ候補生達は何が起きているか分からずにいるが、向こうにいる人影に気付く。
一見すれば馬に乗った騎士だ。
だがその姿は黒く染まった禍々しい甲冑を着て、乗っている馬は憎悪と軽蔑が混ざり、手には鋼鉄の槍を持ち、穂の部分には蛇の装飾が施されていた。
この場にいる全員が一体何なのか分からずにいるが、謎の騎士が俺達に気付いて自身の名を叫ぶ。
『我が名は叡智階位十五位の公爵、狂戦の騎士なり! 我に立ち向かおうとする勇敢なる者よ、我にいふせよ、我に抗え!』
0
あなたにおすすめの小説
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる