電界異聞禄アルターエゴ

佐々牙嵯峨兎

文字の大きさ
上 下
13 / 25
1章 The hierarchy of lust

Digital13.降霊の魔導士

しおりを挟む
 俺とイザナは急いで白夜の方へ向かう。
 まさかアイツがそんな過去を持っていたなんて……!
 俺とイザナは急いで白夜の方に向かう中、イザナは悔しそうにつぶやく。

「噂を聞いてヤバい奴かと思っていたけど……まさかそんな過去があったなんて!」

 俺はイザナの事を縦に振る。
 アア、俺も最初は関わらない様にしていたけど、その話を聞いて助けたくなってきたぞ!
 俺は一つの思いを燃やして向かう。

「頼む……間に合ってくれ!」

 俺は背筋に冷や汗を流しながら、ティラニカル・ブラック・フォックスの方に向かっている白夜の元に向かう。



 クロードとイザナが白夜の元に向かい、その白夜がティラニカル・ブラック・フォックスの方に向かっている中、茶髪先輩は二人の生徒を連れて下層に続く階段に進んでいた。
 茶髪先輩は頭を掻きながらボヤく。

「ったく、あんな化け物がいるなら注意表示しろっての……」
「まぁまぁ、確かにあの化け物は正直ビビったけど、こんなにスゲー写真取れまくったから良いんじゃね?」

 二人の生徒の片方が、茶髪先輩をなだめながらスマホを見せる。
 そこに映っているのは、さっきまで見回ってきた写真を嬉しそうに見せている。
 その中でティラニカル・ブラック・フォックスも映っている。その写真を見た茶髪先輩は顔を渋りながら言う。

「お前そんなのを取っていたのか? 趣味ワリィな~」
「そうか? こんなのを撮ればめっちゃ有名になるんじゃね?」
「オッ、そりゃいいな~!」

 茶髪先輩は生徒の肩に手を回しながら言う。その中でずっと黙っていた生徒が口を開いて聞く。

「……そう言えば、あの問題児は大丈夫か? もしも教師たちにこの事が届くと俺たち――」

 生徒は白夜の事を心配するが、しかし茶髪先輩は言葉を遮って言う。

「大丈夫だろ? 仮にもアイツ総合格闘部のエース君だしよ。仮に死んだとしても自主退学ッテ言えばチャラだろ?」
「さすがに頭良すぎだろ、ヨッ大天才!」
「それもそうだな……」

 茶髪先輩は照れて頭を掻き、一人の生徒が褒めちぎり、もう一人の生徒は納得して黙る。
 そして降りる所が終えると、目の前に大きな扉に気付く。

「な、なんだよ、これ……?」
「見た所扉だな。だけどデカすぎないか?」

 二人の生徒は扉を見てそう呟く。目の前にある扉の大きさは約十メートル、数人の大人を肩車にしてようやく届く位の高さだ。
 巨大な扉に驚いている二人の生徒だが、茶髪先輩は巨大な扉を見ながら開こうとする。
 しかし力を込めてもびくともせず、必死に開けようと言う。

「クソッ……どんだけ重たいだよ、この扉! おい、お前等も開けるのを手伝えよ!」

 茶髪先輩の叫びに二人の生徒は急いで扉を開けよう通す。
 少し押し続けるとようやく動き、このままお室続けてようやく開いた。
 茶髪先輩は息を荒くしながら叫ぶ。

「ぜぇぜぇ……よ、ようやく開いたぞ!」
「ようやくかよ、さっそく中に入ろうぜ!」

 一人の生徒が真っ先に扉の向こうに入り、茶髪先輩ともう一人の生徒も急いで扉の向こうに入る。
 しかし三人は扉の向こうの景色に驚いていた。

「な、なんだよ……これ!?」

 茶髪先輩は目に映る景色に驚きながら指す。
 目の前に映っている景色は石レンガ出てきた空間ではなく、豪勢な西洋城が建てられていた。
 地下迷宮なのに、なぜ豪勢な城が建てられるのは見た事が無い。
 一体どうなっているか分からずにいると、屈強な兵士がやって来る。
 茶髪先輩は兵士に城について尋ねる。

「おい、ここは何だよ? 何でこんな地下に城なんか――」

 茶髪先輩は兵士に聞こうとしたら、兵士は腰から剣を抜刀して構える。

『貴様ら、この城に侵入しようと画策しているのか?』
「は、ハァァ!?」

 茶髪先輩は兵士の言っている事に驚くと、後ろに叫び声が響き、茶髪先輩は振り向くと信じられないものを見る。
 なんとそれは、二人の生徒は槍兵士に刺殺されていたからだ。
 茶髪先輩は二つの死体を見て感情が恐怖に塗られ、息を荒くして否定する。
 そんなことはあり得ない。だってこれは殺人――。
 この状況を理解した茶髪先輩は急いでこの場から去ろうとする。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 茶髪先輩は逃げる。死の恐怖から耐え切れずに逃げ出す。しかし槍兵士が彼の意識を刈り取る。

『逃がすか!』
「アガ――!?」

 茶髪先輩は意識を刈り取られ、兵士が茶髪先輩の襟首をつかみ、城に連行する。
 そして扉は重々しく閉ざされた。




▲▽▲▽▲▽




 俺とイザナは急いで白夜の方に向かい、爆発音を響きまくって急いで向かう。
 するとそこにはとんでもない事になっていた。
 なんとそこはティラニカル・ブラック・フォックスの狐火を避けまくる白夜がいた。
 俺はイザナと共にツッコむ。

「「何だよ、この状況!?」」

 俺はイザナとこの状況にツッコむ。
 何でアクション映画みたいになってんの! これじゃあ撮影みたいになってんじゃん!?
 俺とイザナはこの状況に驚いていると、アルフォンスが前に出て言う。

「おお~さすが格闘選手、攻撃の避け方やカウンターのやり方が中々やるねぇ~」
「呑気に言っている場合かー!」

 俺はアルフォンスが呑気に言っているため、白夜の方に指を指してツッコむ。
 白夜は俺のツッコミが聞こえたか、ティラニカル・ブラック・フォックスから距離を離れて俺の方に向いて言う。

「クロードにイザナ! ちょうどよかった……何とかこいつ倒せれるか?」
「倒せれるって……一体どういうこと?」

 白夜の質問にイザナが聞く。
 どうやらティラニカル・ブラック・フォックスに出会う事は出来たが、狐火や引っ掻きを避ける上に何とかカウンターをするのが必至らしい。
 何やってんだよ……その気持ちは分かるけど、一人で突っ走ったら危険だろ?
 そう思っているとアルフォンスが呆れながら言う。

「少し馬鹿だとは言ったけど、まさかこれぐらいはねぇ~」
「おい、このリスなんか失礼な事言ってねぇか?」

 アルフォンスの子バカに精神が来た白夜は、青筋を浮き出しながらアルフォンスに指す。
 わぁ~言葉は理解しなくても、心で理解している。
 意外な特技がある事に少し驚いていると、アルフォンスが人間になって言う。

「いくらあの心の影シャドウの弱点を狙えるアルターエゴを持っても仕方ないから、僕も手伝うよ」

 アルフォンスはそう言うと、どこから槍を取り出して言う。

「出てきたまえ、ヨハンネス」

 アルフォンスはそう言うと、背後からアルターエゴが出てきた。
 その姿は純白のマントを羽織り、右手には十字架を掲げ、左手には優しくなでる様に向け、顔には白の鉄仮面を装着している。

『私は降霊の魔導士ヨハンネス、目の前にいる影を打ち倒す事を主の名の元に誓いましょう』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異端の紅赤マギ

みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】 --------------------------------------------- その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。 いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。 それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。 「ここは異世界だ!!」 退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。 「冒険者なんて職業は存在しない!?」 「俺には魔力が無い!?」 これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・ --------------------------------------------------------------------------- 「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。 また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・ ★次章執筆大幅に遅れています。 ★なんやかんやありまして...

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...