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トイレを済ませ、ふらふらと歩いていると、シュリの声が聞こえた。
こんなのダメだ。
盗み聞きなんて。
そう思いながらも酔っ払っていたせいもあり、薄く開かれた扉の前から足を動かすことができない。
「それで、こんな風に私と絶交するっていうの? あんな子のために」
シュリの金切り声が聞こえた。
「あんな子なんて言うな。アレンは俺にはもったいない程の奴だ」
「そう言ったって、結局はヴァンプじゃない」
「そのヴァンプにお前だって命を救われただろ? 」
「それはそうだけど」
沈黙が続き、俺はそこから離れようか迷い、廊下の先を見つめた。歩き出す前にシュリの声が聞こえた。
「ねえ、ヒューイ、昔貴方は言ってくれたわよね。私を好きな気持ちは永遠に変わらないって」
シュリの言葉に胸が錐で刺されたような痛みが走った。
「シュリのことは好きだったよ。だけどお前を愛し続けるのに疲れた。今となってはもう、何故お前のことをあんなに好きだったのか、その気持ちさえ思い出せない」
「酷いわ、そんな言い方」
シュリの声が涙混じりなものに変わる。
「悪いとは思うが、もうアレンの為にも嘘はつけない」
「私、貴方のことが一番好きよ」
「違う。シュリが一番好きなのは、自分自身だ」
「そんなことないっ」
「いや、そうなんだ。そういうお前の強さに確かに救われてた時もあったのは認めるよ。ただ今、俺が一緒に居たいと思うのは、これからも人生を一緒に歩んでいきたいと思うのはアレンなんだ。あいつは何も見返りを求めずに俺を愛してくれている。心地いいんだ、あいつの側にいると」
「それは彼がヴァンプであなたのタイだから」
「そうかもしれない。そうだとしても、俺があいつを幸せにしてやりたい気持ちは変わらない。あいつが俺を幸せにしてくれたみたいにな」
俺は扉の前にしゃがみこんだ。
こんな気持ちになったのは初めてで、嗚咽を止めることができない。
ヒューイが俺のことをそんな風に想っていてくれるなんて。それをきっぱりとシュリに宣言してくれるなんて。
こんなのダメだ。
盗み聞きなんて。
そう思いながらも酔っ払っていたせいもあり、薄く開かれた扉の前から足を動かすことができない。
「それで、こんな風に私と絶交するっていうの? あんな子のために」
シュリの金切り声が聞こえた。
「あんな子なんて言うな。アレンは俺にはもったいない程の奴だ」
「そう言ったって、結局はヴァンプじゃない」
「そのヴァンプにお前だって命を救われただろ? 」
「それはそうだけど」
沈黙が続き、俺はそこから離れようか迷い、廊下の先を見つめた。歩き出す前にシュリの声が聞こえた。
「ねえ、ヒューイ、昔貴方は言ってくれたわよね。私を好きな気持ちは永遠に変わらないって」
シュリの言葉に胸が錐で刺されたような痛みが走った。
「シュリのことは好きだったよ。だけどお前を愛し続けるのに疲れた。今となってはもう、何故お前のことをあんなに好きだったのか、その気持ちさえ思い出せない」
「酷いわ、そんな言い方」
シュリの声が涙混じりなものに変わる。
「悪いとは思うが、もうアレンの為にも嘘はつけない」
「私、貴方のことが一番好きよ」
「違う。シュリが一番好きなのは、自分自身だ」
「そんなことないっ」
「いや、そうなんだ。そういうお前の強さに確かに救われてた時もあったのは認めるよ。ただ今、俺が一緒に居たいと思うのは、これからも人生を一緒に歩んでいきたいと思うのはアレンなんだ。あいつは何も見返りを求めずに俺を愛してくれている。心地いいんだ、あいつの側にいると」
「それは彼がヴァンプであなたのタイだから」
「そうかもしれない。そうだとしても、俺があいつを幸せにしてやりたい気持ちは変わらない。あいつが俺を幸せにしてくれたみたいにな」
俺は扉の前にしゃがみこんだ。
こんな気持ちになったのは初めてで、嗚咽を止めることができない。
ヒューイが俺のことをそんな風に想っていてくれるなんて。それをきっぱりとシュリに宣言してくれるなんて。
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