vamps

まめ太郎

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「アレンは行くのか? 」
 思案していた俺は、肩をびくりと震わせた。
「俺、行ってもいいの? 」
「アレンだって招待されたんだろ? 行きたいなら、行けばいい。でも、お前平気か? 」
 ヒューイが表情を曇らせた。
「この前のことはちゃんと警察に話せなかった俺も悪かったし」
 下唇を噛む俺に向かってヒューイが両手を広げた。
「おいで」
 俺はヒューイの胸に飛び込んだ。
 ヒューイは危なげなく俺を受け止めると、頭を撫でてくれる。

「お前が馬鹿がつくくらい優しい奴だって、俺はちゃんと分かっている。だからって、嫌なことをした相手を無理に許さなくたっていいんだぞ」
 そう言われて、涙ぐみそうになる。
「馬鹿は余計」 
 ヒューイが俺の言葉に吹き出し、頬にキスを落とす。

「悪かった。お詫びに明日のランチを奢るよ」
 ヒューイが俺の背中をぽんぽんと軽く叩く。
 俺はヒューイの首筋に額を押しつけながら、ヒューイがシュリに話したいという内容が気になって仕方なかった。
 2人が仲直りをしたら、こんな風な俺達の時間はもうもてないのだろうか。
 そう思うと、深いため息が、自然と口をついた。

 シュリのパーティーは相変わらず盛大だった。
 ただ今までと違うのは鋭い目をしたボディーガードが会場に何名も立っていることだった。
 会場には陽気な音楽が流れ、芝生の真ん中でシュリと婚約者のケイがダンスを踊っていた。
 ヒューイはその光景を無表情に見つめると、俺の腰を抱いた。

「アレン、腹減っただろ。何か食うか? 」
 近くのテーブルへと俺をエスコートしてくれる。
 ヒューイはテーブルの上の皿を取ると、その皿に次々と料理を載せ、俺に手渡す。
 ヒューイはもう一枚皿をとると同じように、料理を載せ始めた。

「あっ、これ結構辛いな。アレン辛いの苦手だろ。これは止めとけ」
 ヒューイに言われ、俺は頷きながら、キャビアの載ったカナッペを食べた。
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