vamps

まめ太郎

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 目を開けた俺は、同じベッドにヒューイがいないことにがっかりした。
 自分の義務を果たしたから、帰ってしまったのだろうか。
 カーテンの引かれていない窓からは、夜の帳が下りていることが確認できた。

 ふいに自分がヒューイの香りを纏っているのに気付いた。
 眠りに落ちる前の濃厚な絡みを思い出し、頬が熱くなる。
 今日はこの思い出と香りだけで十分だ。
 俺がベッドから裸で降りた瞬間、扉が開き電気が点いた。

「ああ、起きてたんだな。バーベキューの用意ができたから、ちょうど起こそうと思ってたんだ」
 立っているヒューイを見て、俺は小さく口を開けた。
「どうした? 」
 驚愕する俺の表情を見てヒューイが首を傾げる。
「帰ったとばかり、思っていたから」

 俺の言葉に呆れたというようにヒューイが肩を竦める。
 落ちている俺のパーカーを拾うと、こちらにむかってそれを放った。

「昼間からお互い何にも食べてないだろ。運動もしたし、アレンも腹が減ったんじゃないか? 」
 先ほど体を重ねたことを揶揄されて、俺の頬が熱くなる。

「済んだか? 行くぞ」
 着替えを終えた俺の手をひき、ヒューイが部屋を出る。

 バーベキューの場所はバンガローから歩いて15分ほどの場所にあった。
 バーベキューセットの横には大きなテントが張られていた。
 中ではストーブが焚かれ、枕に毛布まで用意してある。
 
 こんな豪華なバーベキューは初めてで、ぽかんと口を開ける俺の隣でヒューイが霜降りの美味そうな肉を網の上にどんどん置いていく。
「ほら、食べろ」
 俺に紙皿を持たせ、ヒューイがその上に焼けた肉を載せる。
 すごいスピードでヒューイが皿に肉を載せていくせいで、俺はひたすら口を動かし、焦って肉を頬張るはめになった。

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