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授業は午後からだが、ヒューイとの約束のため、俺は午前中に家をでた。
季節はすっかり冬だ。
街路樹はやせ細り、曇り空で肌寒い日だった。
しかし俺の気分が明るかった。
駆け足で大学にむかったせいで、額に汗が浮かぶ。
待ち合わせ時間までまだ10分以上もあるのに、ヒューイは校門の側で立っていた。
「おはよう」
驚きながら近づくとヒューイは手に持っていたスマホをジーンズのポケットに仕舞った。
「おはようって、もう昼だけどな」
ヒューイは息を切らした俺を見ると、苦笑した。
「走ってこなくても良かったのに」
ヒューイが俺の汗に濡れた前髪をかきあげる。
俺の頬に熱が集まった。
「早く会いたかったから」
ぽろりとこぼした言葉にヒューイが目を見開く。
引かれるかな。
恐る恐るヒューイを窺うと彼は破顔した。
「そうか」
ヒューイが俺の手を握ると、歩き始める。
「ヒューイ、みんなが見てるよ」
「だからなんだ。別に俺達は悪いことをしているわけじゃないだろ」
同性婚自体この国で認められているし、同性愛者も人口の比率で言えば少なくはない。
このカレッジにも同性のカップルはたくさんいるし、そんなカップルが手を繋いだり、キスをしたりしているのは日常的な風景だった。
しかしそれがヴァンプと人間となると途端に珍しくなる。
それも俺達は色々あって、注目を浴びてしまっている。
俺は周りからの目が気にならないとは言えなかった。
ただ堂々と隣を歩くヒューイを見ていたら、跳ね上がった鼓動が徐々に治まっていくの感じた。
カフェに着くと、ヒューイは俺に『何を食べたい? 』と聞いた。
「えっ? 」
「俺は先輩だからな、たまには奢ってやるよ。あまり高いのは無理だけどな」
「じゃあ、サンドイッチ」
「分かった。そこで座って待ってろ」
俺の脳はそれを命令と捕えたようで、大人しく腰かけ、ヒューイの背中を見つめ続けた。
季節はすっかり冬だ。
街路樹はやせ細り、曇り空で肌寒い日だった。
しかし俺の気分が明るかった。
駆け足で大学にむかったせいで、額に汗が浮かぶ。
待ち合わせ時間までまだ10分以上もあるのに、ヒューイは校門の側で立っていた。
「おはよう」
驚きながら近づくとヒューイは手に持っていたスマホをジーンズのポケットに仕舞った。
「おはようって、もう昼だけどな」
ヒューイは息を切らした俺を見ると、苦笑した。
「走ってこなくても良かったのに」
ヒューイが俺の汗に濡れた前髪をかきあげる。
俺の頬に熱が集まった。
「早く会いたかったから」
ぽろりとこぼした言葉にヒューイが目を見開く。
引かれるかな。
恐る恐るヒューイを窺うと彼は破顔した。
「そうか」
ヒューイが俺の手を握ると、歩き始める。
「ヒューイ、みんなが見てるよ」
「だからなんだ。別に俺達は悪いことをしているわけじゃないだろ」
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ただ堂々と隣を歩くヒューイを見ていたら、跳ね上がった鼓動が徐々に治まっていくの感じた。
カフェに着くと、ヒューイは俺に『何を食べたい? 』と聞いた。
「えっ? 」
「俺は先輩だからな、たまには奢ってやるよ。あまり高いのは無理だけどな」
「じゃあ、サンドイッチ」
「分かった。そこで座って待ってろ」
俺の脳はそれを命令と捕えたようで、大人しく腰かけ、ヒューイの背中を見つめ続けた。
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