楽園の在処

まめ太郎

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 ああ、そんなことよりこれからのことを考えなくては。
 どうやらセンは金を返せない俺をどこかに売り飛ばすつもりらしい。
 金持ちばばあの相手ならいくらでも媚びを売ってやるが、内臓を抜かれたりするのは勘弁だ。
 こういう時、別に死んだって構わないなんて言う奴がいるが、それはただのかっこつけだ。
 俺は例え憎い相手の靴底を舐めたって生き残ってやる。
 俺はそう決意し、痛いくらい下唇を噛みしめた。

 車が止まると俺は運転していたスキンヘッドの男の肩に担がれ、雑居ビルの二階に連れて行かれた。
 扉を開けると、柄の悪そうな男たちが一斉に立ち上がりセンに向かって頭を下げる。

「そういうのいいって」
 センは男たちにそう言って手を振ったが、誰一人座り直す者はいなかった。
 一人の男がセンにすうっと近寄った。
「藤崎(フジサキ)さんが見えてます」
 耳元でぼそりと言う。
「分かった」
 センは頷くと、奥に向かった。
「この男どうします?」
 スキンヘッドの問いに、センが目を細めて俺を見る。
「連れて来い」

 奥にも部屋があって、俺はそちらに肩に担がれたまま運ばれた。部屋の中には高級そうな革張りのソファが置いてあり、虎の掛け軸や花が飾ってあった。
 そのソファにスーツ姿の男が座っている。
 座っていても、その体つきが立派なものだというのは気付いた。
 男がゆらりと立ち上がると、190㎝近くあるように見える。

 黒髪の短髪に、男らしい角ばったあご、鋭い目つきから、こいつもまっとうな人間ではないとすぐに分かった。
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