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ふうと藤崎がため息をつく音が聞こえる。
「お前がこれからどうするのが正解かは、俺にも分からない。謝罪したって結局そんなもんは自己満足にすぎねえかもしれないし、改心して一生懸命働いたところで、そんなもん何の償いにもならねえと、被害者は思うかもしれないしな」
怒鳴り返したいのか、泣きだして藤崎に縋りつきたいのか。様々な感情が自分の中でせめぎ合う。
「だったら、もうあとは好きにやるしかねえだろ」
藤崎はきっぱりそう言い切った。
思いもよらない言葉に唖然とする。
「俺だって、知っての通り正しいことばかりしてきたわけじゃない。後悔していることなんざ、それこそ山のようにある。ただどんな時でも、自分で判断を下してきた。誰のせいにもできないようにな」
「俺はあんたのように強くない」
「弱い奴でも誰かのために強くなれることもあるだろ」
俺は目を閉じ、ぐっと奥歯を噛みしめた。
「お前は本当に今のままでいいのか?住む場所が変わっただけで、また鳥かごの中に閉じ込められて…。少なくとも、硝は嫌だと抵抗してる。お前と共に生きたいとな」
熱い雫が頬を伝う。嗚咽が漏れないよう、掌で口を塞いだ。
「お前の判断で好きに生きてみたらどうだ?どんな結果でも自分で背負いこむしかないってことは、今のお前なら痛いくらい理解しているだろ。もし、お前がまた悪い方にいったら、俺が引き取ってやってもいいぜ。今度は手放さねえが」
ふいに声を低くして藤崎が呟く。
「今度何てあるか」
俺は鼻をズッと啜ると言い返した。
「いい覚悟だ」
藤崎は優しい声でそう言うと電話を唐突に切った。
スマホを持ってきたスーツの男が、またそれを俺から取り上げ、出て行く。
立ちあがり、腕を組んだ。
部屋から出るのは簡単だ。
しかしこの期に及んでまだ俺は硝に会うべきか悩んでいた。
海外の仕事も決まり、硝自身、モデルの仕事は楽しいと言っていた。
俺の傍にずっといるというのは、そういう機会を潰す可能性があるということだ。
「お前がこれからどうするのが正解かは、俺にも分からない。謝罪したって結局そんなもんは自己満足にすぎねえかもしれないし、改心して一生懸命働いたところで、そんなもん何の償いにもならねえと、被害者は思うかもしれないしな」
怒鳴り返したいのか、泣きだして藤崎に縋りつきたいのか。様々な感情が自分の中でせめぎ合う。
「だったら、もうあとは好きにやるしかねえだろ」
藤崎はきっぱりそう言い切った。
思いもよらない言葉に唖然とする。
「俺だって、知っての通り正しいことばかりしてきたわけじゃない。後悔していることなんざ、それこそ山のようにある。ただどんな時でも、自分で判断を下してきた。誰のせいにもできないようにな」
「俺はあんたのように強くない」
「弱い奴でも誰かのために強くなれることもあるだろ」
俺は目を閉じ、ぐっと奥歯を噛みしめた。
「お前は本当に今のままでいいのか?住む場所が変わっただけで、また鳥かごの中に閉じ込められて…。少なくとも、硝は嫌だと抵抗してる。お前と共に生きたいとな」
熱い雫が頬を伝う。嗚咽が漏れないよう、掌で口を塞いだ。
「お前の判断で好きに生きてみたらどうだ?どんな結果でも自分で背負いこむしかないってことは、今のお前なら痛いくらい理解しているだろ。もし、お前がまた悪い方にいったら、俺が引き取ってやってもいいぜ。今度は手放さねえが」
ふいに声を低くして藤崎が呟く。
「今度何てあるか」
俺は鼻をズッと啜ると言い返した。
「いい覚悟だ」
藤崎は優しい声でそう言うと電話を唐突に切った。
スマホを持ってきたスーツの男が、またそれを俺から取り上げ、出て行く。
立ちあがり、腕を組んだ。
部屋から出るのは簡単だ。
しかしこの期に及んでまだ俺は硝に会うべきか悩んでいた。
海外の仕事も決まり、硝自身、モデルの仕事は楽しいと言っていた。
俺の傍にずっといるというのは、そういう機会を潰す可能性があるということだ。
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