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そう言って俺が八宝菜の皿を持って立ち上がろうとすると、硝が止めた。
「待って」
俺の手から皿を奪い、ウズラの卵を箸でつまむと恐る恐る口に入れる。
「美味し…」
そう呟くと硝はガツガツと八宝菜をかき込み始めた。
目の前にあった大量の料理が、硝の胃袋にどんどん吸い込まれていく。
全て平らげると、硝は放心したように腹を摩った。
グラスに入った水を飲み干すと正気に返ったようで、「あー食べちゃった」と頭を振る。
お前はダイエット中の高校生か。
そう思いながら、俺は自分の冷めたあんかけ焼きそばを口に運んだ。
「そこまで無理しなくてもいいんじゃねえ?別にトップモデルになるつもりないって、そう思ってんだろ?なら食って、太って、その結果仕事こなくなったって、よくね?」
「でも、海は俺にモデル続けて欲しいんでしょ?」
「まあ、できればな。でも稼いだところで好きな飯も食えないような生活、お前にさせたいわけじゃねえよ。もう200万は振り込まれてんだ。それだけでも結構な額だしよ」
俺の言葉を聞いた硝が瞳を潤ませる。
「海、優しい。やっぱり俺達両想い…」
「だから気色悪い妄想すんなって言ってんだろ」
俺が唾を飛ばしながら怒鳴ると、硝が拗ねた様にそっぽを向いた。
それからも硝はたまに文句は言うものの、モデルの仕事は真面目にこなしているようだった。
しばらくするとコンビニの雑誌コーナーで硝が表紙のファッション雑誌を目にするようになった。
珍しく二人揃った夕飯。
ついているテレビをぼんやりと眺めていると、コートを翻した男の後姿が写った。
こちらを向いた男の顔は硝だった。
スーツからカジュアル、スノボのウエアなど目まぐるしく硝の衣装は変化する。
「モノの価値を決めるのは俺自身でいい」
パッと画面にその文字が写し出された。
「五日間の限定セール。30日から」
女の甲高い声と共に別のCМに切り替わる。
俺は箸で掴んでいたエビチリを机に落とした。
「待って」
俺の手から皿を奪い、ウズラの卵を箸でつまむと恐る恐る口に入れる。
「美味し…」
そう呟くと硝はガツガツと八宝菜をかき込み始めた。
目の前にあった大量の料理が、硝の胃袋にどんどん吸い込まれていく。
全て平らげると、硝は放心したように腹を摩った。
グラスに入った水を飲み干すと正気に返ったようで、「あー食べちゃった」と頭を振る。
お前はダイエット中の高校生か。
そう思いながら、俺は自分の冷めたあんかけ焼きそばを口に運んだ。
「そこまで無理しなくてもいいんじゃねえ?別にトップモデルになるつもりないって、そう思ってんだろ?なら食って、太って、その結果仕事こなくなったって、よくね?」
「でも、海は俺にモデル続けて欲しいんでしょ?」
「まあ、できればな。でも稼いだところで好きな飯も食えないような生活、お前にさせたいわけじゃねえよ。もう200万は振り込まれてんだ。それだけでも結構な額だしよ」
俺の言葉を聞いた硝が瞳を潤ませる。
「海、優しい。やっぱり俺達両想い…」
「だから気色悪い妄想すんなって言ってんだろ」
俺が唾を飛ばしながら怒鳴ると、硝が拗ねた様にそっぽを向いた。
それからも硝はたまに文句は言うものの、モデルの仕事は真面目にこなしているようだった。
しばらくするとコンビニの雑誌コーナーで硝が表紙のファッション雑誌を目にするようになった。
珍しく二人揃った夕飯。
ついているテレビをぼんやりと眺めていると、コートを翻した男の後姿が写った。
こちらを向いた男の顔は硝だった。
スーツからカジュアル、スノボのウエアなど目まぐるしく硝の衣装は変化する。
「モノの価値を決めるのは俺自身でいい」
パッと画面にその文字が写し出された。
「五日間の限定セール。30日から」
女の甲高い声と共に別のCМに切り替わる。
俺は箸で掴んでいたエビチリを机に落とした。
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