90 / 161
90
しおりを挟む
俺は覚悟を決めると頷いた。
「分かった。硝の飼い主ってやつ、なってやるよ」
「いいのか?一度飼うと決めたペットは放りだしたりできないんだぜ?」
藤崎が静かに俺に問う。
「だってそうしなきゃあいつ死んじまうかもしれないんだろ?」
突然藤崎は俺の顎を掴むと顔を上げさせた。
俺の唇をやわやわと吸い、音を立てて口づける。
「仲間思いで偉いな。海」
俺は藤崎の言葉が恥ずかしくて、俯いた。
藤崎は俺を立たせるとにやりと笑った。
「じゃあ、さっそく出してやるとするか。お前のペットを檻の中からな」
藤崎は上機嫌でリビングに向かうと、電気を点けた。
星と月が目を擦りながら、ソファの陰から顔を出す。
「何ー?」
「硝を出してやるんだよ」
藤崎の言葉に二人の表情が明るさを取り戻す。
藤崎が鍵を開けると、硝は部屋の隅に蹲っていた。
藤崎は硝の前髪を掴み顔を上げさせる。
「海がお前の面倒をみるって約束したから出してやるんだぜ。海に感謝するんだな」
藤崎はそれだけ言うと、さっと立ち上がった。
「あとは頼んだぞ」
俺の肩をぽんと叩き、自室に戻る。
その藤崎の後を眠気が覚めたのか、星と月が追う。
俺は硝に手を貸し、部屋から連れ出した。
「待ってろ。今何か消化のいいもん作ってやる」
「海」
硝が俺に向かって弱々しく手を伸ばす。
俺が躊躇なくその手を握ると、硝は本当に嬉しそうに笑った。
「分かった。硝の飼い主ってやつ、なってやるよ」
「いいのか?一度飼うと決めたペットは放りだしたりできないんだぜ?」
藤崎が静かに俺に問う。
「だってそうしなきゃあいつ死んじまうかもしれないんだろ?」
突然藤崎は俺の顎を掴むと顔を上げさせた。
俺の唇をやわやわと吸い、音を立てて口づける。
「仲間思いで偉いな。海」
俺は藤崎の言葉が恥ずかしくて、俯いた。
藤崎は俺を立たせるとにやりと笑った。
「じゃあ、さっそく出してやるとするか。お前のペットを檻の中からな」
藤崎は上機嫌でリビングに向かうと、電気を点けた。
星と月が目を擦りながら、ソファの陰から顔を出す。
「何ー?」
「硝を出してやるんだよ」
藤崎の言葉に二人の表情が明るさを取り戻す。
藤崎が鍵を開けると、硝は部屋の隅に蹲っていた。
藤崎は硝の前髪を掴み顔を上げさせる。
「海がお前の面倒をみるって約束したから出してやるんだぜ。海に感謝するんだな」
藤崎はそれだけ言うと、さっと立ち上がった。
「あとは頼んだぞ」
俺の肩をぽんと叩き、自室に戻る。
その藤崎の後を眠気が覚めたのか、星と月が追う。
俺は硝に手を貸し、部屋から連れ出した。
「待ってろ。今何か消化のいいもん作ってやる」
「海」
硝が俺に向かって弱々しく手を伸ばす。
俺が躊躇なくその手を握ると、硝は本当に嬉しそうに笑った。
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる