77 / 161
77
しおりを挟む
寝室に集合すると、硝が俺に手を伸ばした。
その手を藤崎が払い落す。
「硝。今日、海を抱くのは俺だ」
藤崎が所有権を主張するように俺の肩を抱いた。俺は硝の相手をしなくて済むと知り、ほっと息を吐いた。
しかし硝はそんな藤崎に憮然とした表情を浮かべる。
藤崎の言葉を無視するようにもう一度、硝は俺に手を伸ばす。
そんな硝の頭をぐいと掴むと、藤崎は思い切り壁にたたきつけた。
鈍い音がして、硝の頭が壁から離れたとき、そこには小さなくぼみができていた。
「学習しねえ奴だな。お前は」
藤崎は硝の頭を掴んだまま、月と星を見て微笑んだ。
「悪いな。今日は硝と海と三人で楽しむから、お前らは先に寝てな」
星と月はこくりと頷くと、硝を見て一瞬眉を顰めたものの無言で寝室から出て行った。
どうせなら、俺も一緒に出てけって言ってくれりゃいいのに。
そう思いながら、額から少量の血を流す、硝を見つめた。
可哀想だが、ご主人様に逆らうと痛い目にあうってのはペットや奴隷には当たり前の話なんだぜ。
俺は逃げようとして容赦なく藤崎に殴られたことを思い出し、自然と体がぶるりと震えた。
硝は血を流しながらも諦めようとはせず、また俺に近づこうとした。
藤崎はそんな硝の足を払うと、床に這いつくばった硝の腹を何度も蹴り上げた。
蹲る硝の首を掴むと顔も三発ほど殴る。
一方的な暴力だった。
硝も体格的には藤崎に負けていなかったが、経験の差だろう。藤崎の方がずっと人を痛めつけるのに慣れていただけの話だ。
俺は友人が目の前で殴られる経験などそれこそ今まで何度もあったが、硝が藤崎に殴られながらも、必死で自分に向かって手を伸ばしてくるのを冷静に見ることはできなかった。
その手を藤崎が払い落す。
「硝。今日、海を抱くのは俺だ」
藤崎が所有権を主張するように俺の肩を抱いた。俺は硝の相手をしなくて済むと知り、ほっと息を吐いた。
しかし硝はそんな藤崎に憮然とした表情を浮かべる。
藤崎の言葉を無視するようにもう一度、硝は俺に手を伸ばす。
そんな硝の頭をぐいと掴むと、藤崎は思い切り壁にたたきつけた。
鈍い音がして、硝の頭が壁から離れたとき、そこには小さなくぼみができていた。
「学習しねえ奴だな。お前は」
藤崎は硝の頭を掴んだまま、月と星を見て微笑んだ。
「悪いな。今日は硝と海と三人で楽しむから、お前らは先に寝てな」
星と月はこくりと頷くと、硝を見て一瞬眉を顰めたものの無言で寝室から出て行った。
どうせなら、俺も一緒に出てけって言ってくれりゃいいのに。
そう思いながら、額から少量の血を流す、硝を見つめた。
可哀想だが、ご主人様に逆らうと痛い目にあうってのはペットや奴隷には当たり前の話なんだぜ。
俺は逃げようとして容赦なく藤崎に殴られたことを思い出し、自然と体がぶるりと震えた。
硝は血を流しながらも諦めようとはせず、また俺に近づこうとした。
藤崎はそんな硝の足を払うと、床に這いつくばった硝の腹を何度も蹴り上げた。
蹲る硝の首を掴むと顔も三発ほど殴る。
一方的な暴力だった。
硝も体格的には藤崎に負けていなかったが、経験の差だろう。藤崎の方がずっと人を痛めつけるのに慣れていただけの話だ。
俺は友人が目の前で殴られる経験などそれこそ今まで何度もあったが、硝が藤崎に殴られながらも、必死で自分に向かって手を伸ばしてくるのを冷静に見ることはできなかった。
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる