楽園の在処

まめ太郎

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 俺をゆっくり押し倒しながら、硝はキスを止めなかった。
 歯の付け根を丁寧に舌で辿り終わると、上あごを強弱をつけながら舌で擦る。
 最初にヤッた時から比べると信じられないくらい硝の口づけは丁寧だった。
 キスのせいで頭がぼんやりとし始め、喉奥から快感のあまり呻くような声が漏れる。
 硝がキスを止め、そんな俺に小さく微笑んだ。
 俺が女なら、一瞬で恋に落ちそうな甘い笑みだった。

 硝は俺の耳の後ろに口づけ、ゆっくりと首筋を唇で撫でる。
 俺は熱い息を吐いた。
 赤みの増してきた胸の尖りに硝の唇がたどり着くと、俺は無意識にぶるりと震えた。
 硝は俺の反応を感じてくすりと笑うと、口をすぼめ、乳首を乳輪ごときつく吸い上げた。
 突然の強い刺激に俺の背がしなる。
「ああっ」
 浮いた俺の背に、硝が両腕を回すと骨がきしむくらい強く抱きしめた。そのままじゅっじゅっと音を立てて、胸のぷくりと腫れたものを吸い続ける。
「あっ、ああ、んぅ」
 俺は硝の髪の毛を両手でかき混ぜた。 
 指の間を、金色に光る滑らかな手触りの糸がするりと零れ落ちる。
 硝が俺の右手を取ると、自分の股間に導いた。
「擦って」
 俺は太く熱いそれを掴むと、ゆっくり上下に動かした。
 途端に硝が目を瞑り、眉を寄せ、苦しそうに息を吐いた。
「もっと強くして」
 硝に言われ、俺は両手を筒状にすると、先ほどより力を込め、先端から根元まで往復させた。
 硝の荒い息が耳元に落ち、俺の興奮も増す。
 硝の股間の熱は完全ではないが、緩く勃ちあがっていた。
 硝が顔を上げ、俺に微笑んだ。
「これで海のこと、満足させてあげられる」
 そう言って、熱の尖端を俺の後口に押し付けた。
 俺はとっさに腰を引いた。
 そんな俺に硝が不思議そうな顔をする。
「どうしたの?入れられるの好きでしょ?」
「別に俺は……」
 上体を起こすと、辺りを見回した。
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