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パジャン島 十三

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「あれ?仲月全然減って無いですよ~~?ホラもっと飲んでくださぁぁーい!!」たちの悪い酔い方とはこういう事を言うのだろうなあーこんな事になるくらいならあの時飲ませなければ良かった


 約二時間前―
 確かあそこだな野外の席に座った「いらっしゃい…ここは初めてですか?」元気の良さそうな女性店員が出迎えてくれた


「はい、知り合いからここら辺の飲み屋をおすすめされたので」「そうでしたかご注文が決まり次第呼んで下さい」「わかりま」「生一つお願いしまーす」


「…えぇっと失礼ですが未成年の方への提供は出来ないのですが」まあこうなるわな「すみません実はコイツのこの姿には事情がありまして」


「ちょっと仲月!?」「実は僕は違うんですがこっちの綾瀬はシルドルクっていう所から来たんですがそこの国でとある呪いに掛けられてしまいまして…」言いにくそうな表情を作り話を切り出そうとした時


「いえ、そう言う事情でしたら…分かりましたそんな事情があるにも関わらず…すみません」「いえ、大丈夫です納得して頂けたのなら」女性の店員いや…情に優しい人で助かった「確か生でしたね冷えたのをお持ちします」


「それと何かつまめそうな物をお願いします」「分かりました」勝手に納得してくれて良かったまあアイツには少し悪いが確認する機会は無いだろう「嘘吐うそつく何て行けないんだ~」


「さて?一体何の事だ?仮にあの場で真実を言った所で信じて貰えるかどうか分からないだろ?」「けっ……ありがと」少しムスッしていたが何と言えば良いのだろう…良い表情だと思った


 数分後「こちらタコの唐揚げです」いきなり生ビールを入れると急性アル中になる可能性が高まるから腹に何か入れておくと少しでも軽減出来るからな…タコ…良く合うだろうな「カぁッうまーい」


 俺も飲むかメニュー表を見て良さそうな奴を探す生ビール…日本酒…赤ワイン…梅酒…どれも聞いた事ある物ばかりだな…アイツ酒の知識もあったんだな…まあこのくらいなら消さなくても良いか


 一杯目…シンプルに生で行くか「すみませーん生」「二つで」「ありがとうございまーす」は?綾瀬のグラスが空になっていたそれに加え…唐揚げが一つも減っていない


 せっかくの気遣いが無駄になったな…何か嫌な予感がする「仲月ここのビール今までのと喉ごしも味も全然違う」「そうなのか」その後ビールが届き俺も飲んでみた


 確かに違うな理由は異世界ここの物だからなのだろうがそうだこのタコも食べそう思い唐揚げを食べようとしたら綾瀬に取るなと怒られた「すみませんタコの唐揚げ一つと梅酒お願いします」


「はーい」その後他の客達も増えお酒もどんどん進みそして「な~か~づ~ぎ」現在に至ると言う訳だ綾瀬は机に伏しかけていた違う意味でも出来上がっている借りている着物が少しずれ他の客たちが首を傾ける


 確かこういうので視線が行くのは男の本能だったっけな視線を逸らしながら戻そうと思ったがめんどくさかったので普通に着物を直した「お客さん結構飲みましたね」少し引いた感じで言われた


「まさか僕もこんなに飲むとは思いませんでしたよ…じゃあそろそろコイツを運ぶのでお会計の方を」「分かりました」そうして会計を済ませ綾瀬を運ぼうとした時


「そこの旦那はん」背後から声を掛けられた「おい!」「あれって」野外で飲んでた他の客がざわついている振り返り一体誰なのか確認した「…どちら様?」そこには酒が入っている脳でも分かる


 整った顔をしている良い着物を着た女性がそこにいた…何と言うのか妖艶なイメージがある様に見える
「アイツ…キキョウ様を知らないのか!?」ボソッ「わっちと一夜共にしませんか?」…へ?その一言に酔いが一瞬覚めた
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