君のすべてがほしいだけだよ

水戸けい

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1.マトリ

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 草むらから、一頭の狼がウサギを咥えて姿を現した。青味がかった白銀の、細身でしなやかな体つきをした狼は、大木の根のくぼみにウサギを置いて川に向かった。

 流れる水に顔を向け、すこし水を飲んでから流れに身を浸した狼の体がゆっくりと変化する。体毛は薄くなり、前足が伸びた。首が細くなって鼻梁が縮む。ほどなくして、狼は人間の青年に変化した。

 狼の体毛とおなじ青味がかった白銀の髪は、彼の細いうなじにふわりと寄り添っている。肌は白く、なめらかに陽光をはじいていた。青年は川の水でゆっくりと体を洗い、草の上に上がった。ウサギを置いた木の根元に戻り、上を見上げる。太い枝に体を拭く布と服がかけられていた。

「マトリ」

 太くたくましい声が青年にかけられた。青年―マトリ―は声を無視して布で体を拭く。声の主が森の中から現れた。黒い毛並みの大柄な狼は、マトリに近づきながら褐色の肌をした偉丈夫に変化した。鋭い瞳と太い眉、精悍な顔つきの黒髪の青年はマトリの肩に手を伸ばす。

「マトリ」

 振り向かされたマトリは、冬空に似たよそよそしい薄青の目で青年の藍色の目を見上げた。

「カブフリの狩場は、もっと山の上だよね。このあたりは、僕たちの領域だ」

「わかっている」

 カブフリの藍色の目が好もしい気配を宿す。

「会いに来たんだ」

「どうして」

「わかっているだろう」

 カブフリの顔がマトリの耳に寄せられる。大木に背を押しつけられて、マトリは顔をそらせた。

「俺とツガイになれ」

 ささやきに、マトリは唇を引き結んだ。全身から拒絶を放つマトリに、カブフリは鼻を鳴らす。

「俺はじきに山の群れをひきいる長になる。おまえの群れの長も、俺とおまえがツガイになることを望んでいる。長の許可は得ているんだ。狩場を荒らしたわけじゃない」

 カブフリの手がマトリの細い腰を掴んだ。ブルッと身を震わせたマトリは、わざとらしいため息を吐く。

「こんなところで僕を襲うつもり? いくら長が許可をしていると言っても、そんなことをすれば人格を疑われる」

「襲うつもりはない。求愛しているんだ」

「自分の体と木の幹で僕を捕らえて? おどしまがいの行為だよ」

 フフッとカブフリが息を漏らして、気が強いなとマトリの耳に声を注いだ。

「だから、好きなんだ」

「僕はこういう強引な求愛は好きじゃない」

「俺にこうされたいと望んでいるメスやオメガはたくさんいる」

「なら、望んでいる相手にすればいい」

「俺がしたいのは、おまえだ」

「僕は望んでいないよ」

 カブフリの唇がマトリの耳朶をかすめて離れた。

「マトリ」

 そむけられたマトリの顔を、カブフリの視線が撫でる。

「俺とツガイになれ」

 マトリは答えない。カブフリはマトリの腰に乗せた手を動かして、尻を掴んだ。ハッと息を呑んだマトリが腕を振り、カブフリの頬を叩く。高い音があたりに響いた。

 唇を噛んで、マトリがまっすぐにカブフリをにらむ。カブフリはニヤリとした。

「やっと、俺を見たな」

 顔をそらそうとしたマトリの顎が、カブフリの大きな手に掴まれる。

「ちかごろ、どうして俺を見ない」

「こんな乱暴な態度をとる相手とは、目もあわせたくない」

 ピシャリと言ったマトリの顎から、カブフリの手が離れた。

「強引にされたがる相手は多い」

「僕はそうじゃない」

「昔は、よく一緒に遊んだだろう」

「あのころのカブフリは、こんなふうに自分を押しつけてこなかった」

「自分を、押しつけ……ははっ」

 鼻先で笑ったカブフリは、マトリから離れた。

「それだけ、おまえが欲しいんだ」

 マトリは足元を見た。

「ウサギみたいに、僕を狩る気でいるんだろ」

「俺の腕にウサギが飛び込んでくれれば、わざわざ出張ってきたりはしないさ」

「僕はウサギじゃない」

「先に例えたのは、おまえだろう? マトリ」

 カブフリの手がマトリの頬に伸びる。マトリはそれを軽く払った。

「服を着たいんだ」

「後でいいだろう」

「どうして」

「俺を受け入れろ」

「だから――」

「マトリ、カブフリ」

 別の声がふたりの間に入り込んだ。声の主を見て、マトリは安堵を、カブフリは不快を示す。川下から現れたのは、黄身がかった茶色の髪の青年だった。彼の手には木の蔓で編まれた駕籠がある。

「魚を持ってきたんだ。たくさん獲れたから」

 舌打ちをしたカブフリがマトリから離れる。

「アユイ」

 うなるように青年の名を呼んだカブフリに、アユイは笑顔を返した。

「獣を追って、ここまで来たのか? 服はどこに置いているんだ。着替えて、マトリの集落へ行こう」

 ゆるくかぶりを振ったカブフリは、ちらりとマトリを見てから狼の姿になって森に消えた。見送ったマトリは緊張を解いて、アユイに近づく。

「ありがとう、アユイ」

 笑顔に苦味を混ぜたアユイは、マトリの服がかかっている枝を見上げた。

「着替えを」

「うん」

 はにかんだマトリは、微妙に自分から外れているアユイの視線を求めた。

(カブフリみたいに、僕を見てくれればいいのに)

 偶然をよそおって、カブフリを牽制してくれるアユイの気持ちが、自分にあればいいとマトリは望む。アユイになら、カブフリのように強引にされても不快にはならない。受け入れて、彼の首に腕を絡めて唇を重ねる。

 着替えを終えたマトリに、アユイは魚の入った籠を差し出した。受け取ったマトリは、銀色にかがやくウロコに目を細める。

「こんなにたくさん……集落のみんなもよろこぶよ」

「それじゃあ」

「えっ」

 きびすを返したアユイは、そのままスタスタと川下へ帰っていく。

「寄って行かないの?」

 軽く片手を上げたアユイは、振り向きもせずに遠ざかってしまった。マトリは彼の姿が見えなくなるまで、籠を抱えたまま突っ立っていた。

(どうして、あんなにそっけないんだろう)

 昔からひかえめな性格だった。だけど近ごろは、それがそっけないと感じる。

(嫌われているわけじゃ、ないみたいだけど)

 うつむいたマトリは、籠いっぱいの魚を見た。新鮮なうちに集落に持ち帰って、みんなと分けなければ。

 自分の狩ったウサギを拾う。帰路を進むマトリの頭の中は、アユイでいっぱいだった。

(アユイは、誰をツガイに選ぶんだろう)

 海の集落に住むアユイは、海になじんでいる相手がいいのだろうか。森の集落で生まれ育った自分では、いけないのか。

(うれしかったのに)

 成人の儀式を終えて、自分がオメガだとわかった瞬間にあふれ出たよろこびは、いまでも覚えている。体中がふくらんで、背中が破れて羽が出て、空を舞える気がしたくらいにうれしかった。抱えていた恋心をかなえられる可能性に、マトリの魂は歓喜に震えた。

(オメガなら、オスともツガイになれる)

 アユイがアルファだと聞いて、希望がよろこびに拍車をかけた。通常はオスとメスがツガイになる。それらはベータと呼ばれ、数が多かった。オメガはベータよりも体つきが細かったり、運動能力がわずかに劣ったりするが、オスでも子どもを授かれる。その容姿は突出してうつくしく、守るべきものとして認識された。また、オメガはツガイとなった相手の優秀な遺伝子を繋げられる、希少種でもあった。

 そんなオメガは集落を超えて、優秀であるとだれもが認めるアルファとツガイになるのが普通だった。アルファもまた希少種だが、オメガがベータより能力として劣っているのとは逆だった。体躯が立派で、運動能力に優れ、知恵にも恵まれる。その能力を後世に残すために、オメガはアルファと結ばれる。

(だから僕は、アユイとツガイになれると思ったのに)

 周囲に望まれたツガイの相手は、カブフリだった。彼は成人をする前から、狩りの能力が高いと評判だった。彼はアルファだとだれもが思い、成人の儀式で皆の予想通りだと判明した時は、やはりなと本人も周囲も納得した。群れの中でも立派な体躯と跳躍力。力も強く堂々としているカブフリは、成人してすぐにリーダーとしての力を発揮した。彼に一目置いているものたちはカブフリの指示に従い、見事な連携を発揮して大きな獣を仕しとめていた。

(カブフリは、人気者だ)

 迫られたいと望む相手は多い。だから彼が言っていたことは、うぬぼれでもなんでもない、真実だ。そんな相手に求められるのは、光栄なのかもしれない。マトリも、カブフリの能力は群を抜いていると認めている。

(だけど、僕は)

 集落が見えてきた。子どもたちが駆け寄ってくる。

「おかえり、マトリ」

「ただいま」

 子どもたちにまとわりつかれながら、集落の門をくぐる。おかえりなさいと声がかかるたびに、ただいまと返事をしながら長の家へ行き、入り口で猪をさばいている女たちに近づいた。

「ずいぶん立派な猪ですね」

「カブフリたちが持ってきてくれたのよ。会わなかった?」

 あいまいな笑みを返したマトリは、その帰りに自分を探しに来たのかと考える。おそらくだれかに、マトリはどこだと聞いたのだろう。

「ウサギを取ってきたんだ。あと、これを」

 アユイにもらった魚を見せると、まあまあと女たちは笑いのさざめきを広げた。

「あなたたちは、本当に仲良しね」

 含みのある言葉に愛想笑いを浮かべたマトリは、子どもたちに遊ぼうとせがまれて草原へ行った。子どもたちは遊びの中で狩りを学ぶ。大物狙いの狩りには向かないマトリの運動能力は、子どもたちとたわむれるのにちょうどよかった。

 草を蹴り、子どもたちとたわむれながら、マトリは女たちの視線や言葉に含まれた羨望に苦笑する。カブフリほどではないが、アユイもひそかに想うものがすくなくなかった。精悍さはカブフリにはおよばないが、代わりに柔和な雰囲気をまとっている。雄々しく押し出しの利くカブフリと、温和でこまやかな気遣いのできるアユイ。真逆ではあるが、ふたりとも見目や能力は群を抜いている。

(だけど、僕の相手はカブフリだと思われている)

 立場としては、どちらを選んでも問題はない。けれど海よりも山に近い森の集落では、狩りの面において狩猟に長けているカブフリのほうが好まれる。加えてカブフリは、はばかることなくマトリをツガイにしたいと全身で語っていた。人々がマトリの相手はカブフリだと、認識を固めるのも無理はなかった。

 今日のように、アユイがさりげなく助けてくれたり、海のものを差し入れたりしてくれることは、めずらしくない。けれど彼の態度はさりげなく、差し入れもカブフリの巨大な猪などではなく、集落のものたちが気兼ねなく受け取れる程度にとどまっているので、幼馴染の気安さから、マトリを気にかけているものと周囲は考えている。

(特別なものだって、考えたがっているのは僕だ。アユイは昔からの延長で、僕を気にかけてくれているだけ)

 たいていのものの目にそう見えているくらいだから、アユイの気持ちはきっとそうなのだろう。

(カブフリとおなじ気持ちからだと受け取りたいのは、僕がアユイを好きだからだ)

 子どものころからアユイはマトリを気遣ってくれていた。まだオメガと判明する前から、マトリはどの子どもたちよりも足が遅かった。アルファと判明するふたりと比べれば、その差はさらに顕著だった。遅れがちなマトリを、アユイはいつもさりげなく導いてくれた。己の能力を誇ることなく、アユイの足の遅さに苛立つことも腹を立てることもなく、そういうものだと受け入れてくれていた。

 そんなアユイのやさしさが、マトリは好きだ。

 アルファとわかり、周囲から特別な存在として扱われても、アユイの態度はいささかの変化も見られなかった。彼はあくまでも控えめに、だれかをさりげなく助けていた。カブフリのように集団のリーダーとして目立つことをせず、弱い立場のものに目を向けて支えていた。

(僕だけにそうしてくれていたら、きっとみんなはアユイもツガイの候補だと考えた)

 けれどアユイは、だれにでもやさしかった。そんなアユイだからこそ、マトリは惹かれた。

(矛盾してるなぁ)

 はしゃぐ子どもを捕まえて、次の子どもを追いかける。マトリは笑顔の裏で、自分にあきれた。

(僕だけを特別に扱ってほしい)

 カブフリほどじゃなくても、アユイにとって特別な存在だと感じられるものがほしい。

(アユイは、だれを想っているんだろう)

 彼はだれを、ツガイにと望んでいるのか。それすらもわからないくらい、アユイのやさしさは平等だった。彼は群れの長が決めた相手を、群れのためにツガイにすると考えているのかもしれない。

(そんなの、いやだ)

「痛いぃ!」

 捕まえた子どもが、身をよじってうったえた。

「ごめん、ごめん」

 あわてて腕を離すと、子どもはヘラッと笑ってマトリの腰にしがみついてから、ほかの子どもたちと混ざって草原を走りまわった。考えに没頭しすぎて力加減を間違えた。手のひらを見て、アユイならそんなことにはならないよなと苦笑する。

(僕は、自分のことばっかりだ)

 息をするようにだれかを気遣えるアユイには、ふさわしくない。

 落ち込みかけたマトリは首を振り、不安を払った。だれよりもアユイを見ている自分こそ、彼にふさわしいはずだと勇気を奮い立たせる。

(だけど、ほんの一瞬でもいいから、僕だけを見てほしいな)

 ほんのわずかな間でいいから、アユイのすべてが自分に向けられたらいいのにと、マトリは憎らしいほどさわやかに晴れわたっている空を見上げた。

 子どもたちが元気な声で、もっと追いかけっこをしようとマトリを呼んでいる。
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