AIとエゴ

水戸けい

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 人工知能が発達すれば、単純な仕事はすべて機械に取られてしまう。人間の仕事は減って、仕事にあぶれる人間がいる。だから、いろんなことを知って発想力の基礎を身に着け、想像力を働かせなければ生きていけない。

 なんてことを偉い人たちが言い出したのは、百年と少し前のことらしい。

 技術はすごい勢いで進歩を続けて、目まぐるしく周囲の環境は変わっていく。古い言葉で『十年一昔』というものがあるらしいけれど、十年どころか五年前でも常識や技術なんかは、めっちゃくちゃ昔のものって感じだ。

 ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんが子どもの頃に観た、未来を描いた映画なんかで出てくる、自動で走る車とか、ロボットがそこここで働いている姿なんて、今では日常の風景になっている。もちろん、全てが実現しているわけじゃない。

 人間は働かなくってよくなる、なんてことにはなっていないし、たしかに昔の仕事でなくなってしまったものはあるけれど、新しくできた仕事もあって、古くから残っている仕事だってあって。

 なんていうのか、歴史ってつまりは、そういうことの繰り返しで。その度に騒ぎになって、結局は、そこまで大変なことにはならずに、誰もが慣れて受け入れていくんじゃないだろうか。

 つらつらと、駅前のコーヒーショップのカウンター席で、ガラス窓、というか、ガラスの壁から通りを眺めつつ考えてみる。

 ぼうっと視線を投げているだけでも、人工知能を頭の中に組み込んだアンドロイドの姿が目に映る。アンドロイドは珍しいものじゃなくなった。どんなに確認しても人間と見分けがつかない、と言うほど精巧にはなっていないけれど、ぱっと見て判断できない人も大勢いるという程度には、生身の人間とそう違わない。

 ガラス窓にぼんやりと映っている私の姿は、亡霊みたいだ。うっすらと、半透明の色つきな私を透かして見る人たちは、笑っていたり、不機嫌そうだったり、無表情だったり、いろいろだ。笑っているのが人間で、無表情なのがアンドロイドというわけでもない。

 アンドロイドは表情豊かだ。たとえそれが、プログラミングされた感情であったとしても、自分の感覚として表情を作るために細かく配置されているパーツを一瞬で動かして、笑ったり怒ったり泣いたり。そうそう、涙を流す機能を搭載したアンドロイドも、新しく発売された。どれだけ人間に近づけるかが研究者のテーマであり、人間を作るなんて傲慢だというのが、なんて言ったかな……まあ、とにかく、そういう倫理だのなんだのとかいう人たちの主張らしい。

 正直、ふーん、という感じでしかない。私にとって、色々な意見があるというのは、次々に流れては消えていく情報の川に浮かぶ、木の葉とおなじだ。開発者が何を考えていて、それについて誰がどう思っているのかなんて、どうでもいい。それより大切なことが――その人たちにとっては、くだらないことだろうけど――私にはあるから。

 道行く人たちの服装に、意識を戻す。特に、同年代、十代後半から二十代前半の女の子たちに。

 情報収集はとっても大事だ。流行はすぐに変化するから、一瞬たりとも気が抜けない。意識を集中して流行を追いかけて、だけど自分に合うようにアレンジを入れて。最先端だけど、最先端に全部を染めてしまわない感じっていうのは、けっこう難しい。わかっている人には通じるけれど、わかっていない人からは、みんなおなじ格好だよねとか言われてしまう。

 そういう微妙なところが、個性の活かし方なのだ。学校の制服や髪型を、校則違反にならない程度に、自分流にアレンジしていくのにちょっと似ている。

 特定の年代にしか通用しない言語みたいな。だからこそ、とっても大切なもの。

 ストローをつまんで、口を寄せる。冷たい液体が喉を通って体の中心に納まった。それが全身に広がっていく。

 ほうっと息を吐いて、道行く人やアンドロイドの姿を見ながら時間を確認した。

 午前八時三十二分。

 通勤、通学ラッシュの終わりだ。駅から大量に吐き出された人たちの姿が、それぞれの目的地に散っていくと、外の光景から騒がしさが消え失せた。

 時間どおりの行動をしている人たちを見ていると、人間もアンドロイドも、それほど違わないんじゃないかと思う。

 どっちも、指示されたことに従って動いているんだから。

『いま、どこにいる』

 メッセージを受信した。すぐさま返事。

『駅前のコーヒーショップ。ものすごい遅刻してるよ』

 待ち合わせは八時なのに。

『わかってる。出る前にちょっとトラブル』

『寝坊のいいわけじゃないの?』

『本当にトラブルなんだって。髪型が決まらなくって』

『なにそれ』

 鼻先で笑ってしまった。髪型が決まらないから遅刻するなんて、意味が分からない。いや、わからなくもないけれど、それならそれで、もっと早く連絡を入れてくれたらいいのに。待っているこっちの身にもなってほしい。

『大事でしょ、髪型』

『まあ、大事だけど』

 私との約束に遅刻するほど、重要なんだねと心の中で皮肉をつぶやく。あるいは、私なら待っていてくれるだろう、待たせても適当に過ごしているだろうと考えているのかもしれない。

『いま、電車の中だから』

 つまり、電車に乗ってやっと連絡を送れる時間ができたということか。それまで必死に髪と格闘して、ダッシュで駅に向かったと言いたいのか。

『そこで待ってて』

 追加されたメッセージには、返事をしないでため息をつく。ここで待つほかに、私ができることなんてない。無視をしてどこかに行くって選択肢は、私にはなかった。

 やれやれと頬杖をつくと、隣の席に若い男の人が座った。スーツを着た彼に、にこやかな顔を向けられる。反射的に笑顔を返せば、体をこちらに向けられた。

「ひとり? ずっといるよね」

 つまり、この人はそう判断できるほど私を見ていたということで、彼もずっといたってことになる。

「待ち合わせなのかな。彼氏にでも、すっぽかされた」

「いえ」

 彼氏じゃない。女友達、と言えばいいのだろうか。正直、私たちの関係をどういう言葉でまとめればいいのか、わかっていない。ただの遊び相手で、知人と友達の中間位置というのがしっくりくるけれど、初対面の相手に言うには微妙すぎる説明な気がする。

 あまり難しく考えずに、相手に伝わりやすい、それっぽいカテゴリに分けて言えばいいのだけれど、ついついこだわってしまうのは、私の性格としか言いようがない。

 口をつぐんでいると、彼はすこし前にのめって、顔を寄せてきた。

「時間があるのなら、ちょっと付き合ってくれないかな」

 ナンパなのか。見たところ、二十代後半くらい。細い縦のストライプが入った紺色のスーツはパリッとして清潔そう。シャツは淡い桜色で、ネクタイはしていない。一番上のボタンは外れていて、鎖骨がチラリと見えている。顔は、まあ、イケメンというほどではないけれど、悪くない。スタイルもいい。髪の毛は無造作にセットされていて、会社員なら営業マンといったところか。

 だけど、普通の会社ならそろそろ仕事がはじまる時間にナンパをするなんて、なんだかおかしい。

「いきなり、こんなことを言われたら、あやしいと思うよね」

 私の微妙な表情の変化を読んだ彼が、名刺を取り出した。肩より長いストーレートヘアーを耳にかけて、彼の顔をうかがいながら名詞を受け取る。

 * * *

 株式会社ローズシード 人事部 逸見 隆文

 会社の名刺を出すなんて、変なナンパだ。

「君、すごくかわいいよね」

 あ、もしかして――。

「うちの会社で、働かないかなって思ったんだけど、どうかな。大学生くらいだよね。成人してる? あやしい仕事じゃないよ。割のいいバイトなんだ」

「私、夜の仕事はちょっと」

 言葉を濁す。私はそこそこかわいいし、男受けする雰囲気だと自負もしている。ベースは卵型の輪郭だけど、ちょっと下膨れ気味なので子どもっぽく見える。目はアーモンド形。めちゃくちゃ大きいわけではないけれど、撮影ソフトのデカ目機能を使わなくてもいいくらい。髪は黒髪ストレートで、背中の真ん中くらいまで。いわゆる清楚系? なんて、自覚している時点で、中身はちっとも清楚じゃないんだけど。

 とりあえず、まあ、外見や雰囲気は、そんなふうに受け取られやすい。服装だって、流行のものの中でも、お嬢様系というか、そっち系にしているし。

 いわゆる、庇護欲を煽るとか、癒し系とか、そんな感じ。

「夜だけじゃないんだよ。昼でもいいんだ。簡単な仕事だよ」

 そう言って、逸見さんは手品みたいに手の中の名刺入れの後から、サッと折りたたまれた一万円札をのぞかせた。私の視線がそれを捉えたと把握してから、ジャケットの内ポケットに名刺入れと一緒にお札を入れる。

 お金をちらつかせて興味を引こうとするなんて、すごくいやらしいけど効果的な手法なんだろう。誰だってお金は欲しい。私だってそうだし、視界に映る範囲の人たち全員、お金は欲しいに決まっている。ついつい欲に引き込まれて、話だけでも聞いてみようと思う子は少なくないんだろうな。

「簡単な仕事、ですか」

 待ち合わせ相手が来るまではヒマだし、逸見さんを振り切るために店から出るのも億劫だ。適当に話を聞いて、追い払ってしまおう。

「そう、簡単な仕事。誰にでもできるけど、誰でもいいってわけじゃないんだ」

 魅力的な笑みを浮かべて、逸見さんはちょっとだけ右肩を持ち上げた。親しみを演出しているのだろう。はたから見れば、そこそこ親しい顔見知りって感じに映るんだろうな。店員さんは、私の待ち合わせ相手がやっと来たと思っているのかもしれない。

「簡単なのに、誰でもはよくないんですか」

「そう。君みたいに、かわいい子じゃないとダメなんだ」

 あやしさマックスの誘い文句。これを真に受けてしまう子がいるから、逸見さんはそう言っているのだろう。というか、こんな言い方で受け入れてしまう子って、どんな子たちなのか会ってみたい。バイトをする気はないけれど、興味が湧いてきた。

 お店の中は、モーニング目当ての人や、早めに来て時間を調整していた人たち、待ち合わせらしい人たちがいなくなって、代わりに散歩の途中なのか、どこかへ行ってきた帰りなのか、年配の客がちらほらとやってきた。店員たちの気も抜けて、顔に張りつけていた笑顔が、ゆるんだものになっている。動作もどこか緩慢な雰囲気になって、忙しい時間を切り抜けたって気配をありありとかもしていた。

「もしも時間があるのなら、いまからお店の見学に来てみないかな。そんなに遠くじゃないんだ」

「いえ、でも……待ち合わせをしているんで」

 興味ありますと示すのは、思惑通りに動いたと思われそうで嫌だから、ちょっとためらうそぶりを見せる。

「だけど君、ずっとここで外を眺めているじゃないか」

 ちょっと眉をひそめて、同情的な表情を作られた。かわいそうだねってにじませられても、そうなんですよと乗る気持ちにはなれなかった。これもきっと作戦なんだと、観察しながら出方をうかがう。

「遅刻するって、連絡が来ましたから」

「ふうん? その子は、すぐに来るのかな。時間がまだあるのなら、ちょっとだけお店においでよ」

「でも、もし戻るのが遅れたら悪いので」

「真面目なんだね」

 にっこりされる。めちゃくちゃイケメンってわけじゃないところが、きっとミソ。そこそこ手が届きそうな範囲内だからこそ、ときめいてしまう心理をしっかりと把握しているっぽいところが、とてもズルくて賢くて、だから逸見さんはスカウト役なんだなって納得した。

「うーん」

 悩む声を出して渋りつつ、逸見さんの顔をうかがう。もっと観察してみたい欲望がムクムクと湧いてきて、抑えきれなくなっていた。電車に乗ったとメッセージが届いてから、ここに到着するまでの時間を計算する。お店の場所がどこかは知らないけれど、行ったら多分、間に合わない。

 だけど、待ちぼうけをくらわされているんだし、今度はこっちが待たせたっていいよね。

『ちょっと、面白そうなものを見つけたから、行ってくる。着いたら適当に時間を潰して待ってて』

 メッセージを送って、体をわずかに逸見さんに向けた。「おっ」と口を丸くして、だけど音は出さずに、逸見さんが期待をのぞかせる。

「本当に、すぐ近くで、友達が来るまでに戻れるんですね?」

 念を押すと、破顔された。目じりにちいさなシワが走るほど、くしゃくしゃの笑顔。くったくのない、とはまさにこれだと言いたくなるような、そんな表情の裏側には、計算がたっぷりとこびりついている。

 見透かされているなんて、ちっとも気づいていないんだろう。それとも、わかっていて知らないふりをしているのかな。

 判断がつかないままに席を立って、まだ飲み途中の、本当はこげ茶色なのに密集していて真っ黒に見えているドリンクのグラスを返却台に運んだ。逸見さんが返却に手を貸そうとしないのも、きっと作戦。ここで彼が手を出したら、いやらしく感じそうだから。

 計算ずくめの逸見さん。自分が相手にどんな印象を与えるのかを、しっかりと把握している。そしてどんな言動をすれば、相手が警戒を緩めるのかも。

 とても賢くて、観察眼の鋭い人だ。それはもとからなのか、それとも誰かから教わって訓練したものなのか。自分で勉強したということも、あり得るな。

「こっち」

 さりげなく先導される。周囲が不審に思わない程度には親しげで、私に警戒をさせない配慮を交えた絶妙な立ち位置。パーソナルスペースとかいうやつを、きっちりと守っている。

 駅前のバス停には、いかにもロボットという形状の案内が立っていた。それに向かって、年配のご婦人がなにやら話しかけている。アンドロイドの技術が発達しても、ああいうデザインはなくならない。愛好家がいるということもあるけれど、わざと人間と区別するために、そうしているのだとも聞いた。

 実際どうなのかは、よく知らない。いろんな意見があって、偉い人が採用したんだろうなとしか思わない。というか、そういうものだって気にしていない人が大半だろう。私は、半分気にして、半分は気にしていない。気が向いたときに、なんでだろうなと考えてみる、ヒマつぶしの題材にしていた。答えは求めていない、ちょっとした疑問。

 笑顔をキープしたまま、逸見さんは話かけてくるでもなく、私が逃げ出さないかを監視する目で、目的地へ足を進めている。笑っているのに笑っていない、この顔に気がつかないで連れていかれた子は、どのくらいいるのだろう。気がついていながら、それでも興味やお金に引かれてついて行った子は、どのくらいいたのだろう。

 昼からの開店準備を進めているレストランや、開いているけれど閑散としているカラオケ店。のんびりしている喫茶店の前を通って、ひとつ裏の筋に入ると、ピンク色の背景に、にっこり笑っている猫耳を着けた女の子の絵が描かれている看板が現れた。細い階段が、看板の横にある。

「ここだよ」

 見るからにあやしい気配が漂っている、お店の名前は『キャッ☆トーク』。あまりのダサさに開いた口が塞がらない。いったい、何時代のお店なんだろう。

「見た目はちょっと、あやしく感じるかな? まあでも、大丈夫。本当に簡単で安全な仕事だから」

 あやしさを増幅させる言葉をかけられた。これで逃げ出す子も多いんじゃないだろうか。

「変な店じゃないですよね」
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