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(そう、うまくはいかないなあ……)
足元を見ながらとぼとぼと公園を横切っていると、急に肩をたたかれた。
「――ひあっ!?」
「Wow,sorry」
飛び上がって振り向くと、朝日を透かした金髪が目に入った。水底を思わせる青い瞳が驚きに見開かれ、『ああ、ごめん』という日本語が空中で響く。
私は思わずぽかんと口を開けた。穴のあくほど彼の顔を見つめてから、ようやく昨日の一件を思い出した。
「あ、もしかして、昨日のじゃ伝わらなかった? あ、アイムソーリー! バットアイムノー!」
慌てて言いつのったけれど、今度もうまく伝わる気がしなかった。日本語すらまともに操れない私が、苦手な英語で会話ができるわけがない。
泥棒をした日本人をやっつけようと、見張っていたということだろうか。
踏んだり蹴ったりで泣きたくなってきたけれど、彼の用件は違ったらしい。
『なんでこの人が謝ってるんだろう?』という心の声が聞こえた後、彼はまっすぐ私を見て口を開いた。
『とにかく良かった、見つかって。謝りたくて探していたんだ。昨日は、勘違いして悪かった。日本人、いつも俺のことじろじろ見るからさ。あんたもそうなのかと思って』
彼の流暢な英語を聞き取っているふりをして、必死に心の声を聴く。
昨日のことは、どうやらお互いに勘違いをしていたようだ。彼は、私の無遠慮な視線が気になって、「言いたいことがあるなら直接言え」というようなことを言ったのだという。
「そ、そうなんだ……。気にしないで。じゃなくて、ユアウェルカム(どういたしまして)!」
誤解が解けたとわかって心底ほっとした。それだけで、一気に気分が浮上する。
足元を見ながらとぼとぼと公園を横切っていると、急に肩をたたかれた。
「――ひあっ!?」
「Wow,sorry」
飛び上がって振り向くと、朝日を透かした金髪が目に入った。水底を思わせる青い瞳が驚きに見開かれ、『ああ、ごめん』という日本語が空中で響く。
私は思わずぽかんと口を開けた。穴のあくほど彼の顔を見つめてから、ようやく昨日の一件を思い出した。
「あ、もしかして、昨日のじゃ伝わらなかった? あ、アイムソーリー! バットアイムノー!」
慌てて言いつのったけれど、今度もうまく伝わる気がしなかった。日本語すらまともに操れない私が、苦手な英語で会話ができるわけがない。
泥棒をした日本人をやっつけようと、見張っていたということだろうか。
踏んだり蹴ったりで泣きたくなってきたけれど、彼の用件は違ったらしい。
『なんでこの人が謝ってるんだろう?』という心の声が聞こえた後、彼はまっすぐ私を見て口を開いた。
『とにかく良かった、見つかって。謝りたくて探していたんだ。昨日は、勘違いして悪かった。日本人、いつも俺のことじろじろ見るからさ。あんたもそうなのかと思って』
彼の流暢な英語を聞き取っているふりをして、必死に心の声を聴く。
昨日のことは、どうやらお互いに勘違いをしていたようだ。彼は、私の無遠慮な視線が気になって、「言いたいことがあるなら直接言え」というようなことを言ったのだという。
「そ、そうなんだ……。気にしないで。じゃなくて、ユアウェルカム(どういたしまして)!」
誤解が解けたとわかって心底ほっとした。それだけで、一気に気分が浮上する。
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