白い息吹とココロの葉

カモノハシ

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 観光名所として名高い旧議事堂のある公園を通り抜けると、いつもの十字路へショートカットできる。バス停が集まっているそこの交差点で、一か月ほど前から、一人の外国人が目撃されるようになった。
 プラチナブロンドのさらさらした髪と、澄んだ湖のような青い瞳。そして、すらりとした体躯。
 このあたりでは珍しい、北欧系の白人だ。近くの高校の制服をまとった彼は、出没と同時に話題になり、特に女性陣からは熱い視線を浴びることとなった。
 しかし、黄色い声にも徹底して無表情・無反応を貫く塩対応のせいで、やがて誰も秋波を送らなくなった。今では、みな、遠巻きに眺めるだけになっている。
 私も、例にもれずその一人だ。あんな不愛想な人に話しかける勇気はないし、第一、何語で話せばいいのかわからない。英語なら通じるかもしれないけれど、英検3級すら落ちた私には土台無理な話だった。
 そんなわけで私は、高校行きのバスを待っている間の目の保養として、今日も彼の姿を追っていた。
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